わたしが教室開業支援を続ける理由
2021年ももうすぐ終わりですね。
今年はさすがに新規で教室開業をするという方が少なく、閉鎖、縮小の教室もたくさん見かけました。一方でコロナ前より生徒が集まっている教室もあり、教室業がまったく厳しいわけではないこともはっきりしています。
(それでも確かにこの状況って開業を躊躇するよね…)とも思います。自分が教室を始めた頃のことを思い返しました。
私が起業すると決めた時のこと
私は「切り込み隊長」の異名を持ち、新しいことにも躊躇なくチャレンジするタイプ。そんな私が開業を考えた時、ものすごく躊躇してしまって自分でびっくりしたのをよく覚えています。だから、今は平気で人に「やっちゃいなー」って言ってますけど、開業が本当に勇気がいることと身を持って知っているのです。
当時(30代後半)、小さな子どもを抱えながら派遣社員をしていました。これが一生続くのは夢がない、歳をとったらどう考えたって詰むなと思ったので、なにかを始めなくてはと考えていました。
ほんとは、希望の職種で環境もよく給料も良い。そんな会社で終身働けたら理想だけど、そんな都合の良い話はありません。仕事を選ばなければ雇用で生きていくことはできました。でも自分の良さを活かして生きたかった。だったら自分でやるしかない。いわば消去法で「開業」だったんです。
それでも本当に開業は勇気が要ります。やめておこうかと何度も考えました。でも、(あの時開業していたらどうだったかな)とずーーっと考えながら生きる自分を想像したらゾッとして、えい、もうやろう!と決めたのです。
目をつぶってダイブした
「うまくいかなかったら辞めればいい。やった後悔よりやらなかった後悔。」念仏のように唱えて開業準備をしました。
そうしたら、開業時になぜか周りの友人たちの応援や協力がびっくりするほど集まったんです。
専用スタジオを作って、公庫からの借り入れもしたので、その覚悟がみんなの心に響いたのではと思います。自分も覚悟をもってがんばっている人がいたら「応援しよう」という気持ちになりますから。
開業はただのはじまり
みんなの応援のお陰で無事開業できました。でも、開業はただの始まり。問題はそこからです。作った事業計画のように生徒は増えなかったし、菓子販売との二足のわらじという当初の予定は無理すぎて途中で止めました。開業翌年(2008年)にはリーマンショックが起こり、材料資材輸送料などあらゆるコストが跳ね上がりお菓子教室には致命的な「バターが手に入らない」状況が続きました。2011年には東日本大震災が起きました。
そのたびに(もうだめかも)と思いました。でも、せっかく始めたんだからやめたくはない。その時その時、できるることをコツコツ続けていったら、いつのまにか5年、10年と続き、来年で開業15年になります。
うまくいかないことの方が多かった
最初はあれこれがんばって、いろんなことにチャレンジしました。せっかく時間をかけて企画したのに鳴かず飛ばずなんてことはざら。最初の頃はひどく凹んだけど、野球でも3割バッターは好成績、出版も10冊出したうち3割当たれば名編集者だそうです。「3割」と知ったら淡々とやり過ごせるようになりました。
残ったもので自然に自分らしいスタイルが出来上がっていくのだなと知りました。
あの頃の自分を応援したい
開業支援は最初からやりたかったこと。経験を重ねた開業5年目にスタートしました。開業支援をする理由は、あの頃の自分と同じような状況にある人を応援したいという思いが強く自分の中にあるからです。自分らしく生きたい。でも様々な制約があって自由にはできない。大人になった女性が特にそういう状況下に置かれることが多い日本社会で、自分の経験を役立てて次世代に繋げ、「どんな環境でも頭をひねってやり方を見つけよう。自分の人生を楽しんで」と伝えたいのです。
必ずうまくいく方法はないけど、絶対失敗するやり方はあります。リトルヘルプの資産である情報と経験を使って、これからも皆さんの開業、教室経営をサポートしていきます。
さあ、2021年も残りわずか。来年に向けてあなたはどんな準備をしますか?
先行きの見えない不安を小脇に抱えながら、でも人生楽しんでいきましょう。
記事を書いた人

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お菓子教室&コミュニティ「ミサリングファクトリー」主宰。2007年開業16年の実績。全クラス満席、キャンセル待ちの人気教室。好きなことは山登り、温泉、旅行、焚き火。しかしアウトドア派と思われがちな完全インドア派。コロナ以降は、中華アニメ、ドラマ、小説にはまり、快適な引きこもり生活を送っている。中国語学習者。
将来の夢は流しのお菓子教室→絵描き→中国に行きたいと変遷中
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