3着以内に入れば的中の複勝~そのメリットとデメリットとは?
数ある馬券の中で、最も的中しやすい馬券が『複勝』です。馬番を指定して購入し、その馬が**3着以内に入れば“当たり”**となる馬券です。
正確には、複勝は以下のようなルールで発売されています。
複勝のルール
出走頭数 | 的中条件 |
---|---|
4頭以下 | 発売なし |
5~7頭 | 2着以内に入れば的中 |
8頭以上 | 3着以内に入れば的中 |
2019年の場合、3452レースのうち、出走頭数が4頭以下のレースはなく、5~7頭のレースもわずかに61レースです。これからも、「複勝は3着以内に入れば的中」と考えても間違いではないでしょう。
1着時のみ的中する『単勝』に比べて、1着でも2着でも3着でも的中となる複勝は、的中確率が高い馬券と言えます。ただし、その分、払戻金は低くなりがちです。複勝の払戻金は、単勝のおよそ3分の1となります。
なお、買った馬が1着、2着、3着いずれでも、複勝の払戻金は変わりません。1着だからといって払戻金が高くなることはないので注意が必要です。
単勝と複勝 払戻金の比較(2019年)
種別 | 平均配当 | 最低配当 | 最高配当 |
---|---|---|---|
単勝 | 986.5円 | 110円 | 22810円 |
複勝 | 337.2円 | 100円 | 7580円 |
複勝のオッズには“幅”がある
複勝のオッズは「2.6倍~4.8倍」など、幅を持った発表がなされます。これは、複勝が1着~3着に入る馬の組み合わせによって払戻金が変動するため、このような表記になります。
まず、「的中した人でお金を分配(山分け)する」のが馬券の原則です。正確な計算式は省略しますが、複勝の場合、売上げのうち80%が払戻金に充てられ、これを的中した人で「山分け」することになります。
ここで、「1着が1番人気、2着が2番人気、3着が3番人気」というケースを考えてみましょう。それぞれの複勝を買っている人は多く、つまり山分けに参加する人数も多くなるということです。そのため、ひとりあたりが得られる払戻金は少なくなります。いっぽう、「1着が8番人気、2着が10番人気、3着が3番人気」なら、山分けに参加する人数も少ないため、同じ「3番人気で3着」という馬の複勝でも、先ほどのケースより払戻金は大きくなることが期待できます。
おおむね、**「1~3着が人気サイドだと複勝の払戻金は小さくなり、人気薄だと大きくなる」**と考えておけばよいでしょう。
「複勝コロガシ」って何?
馬券が的中して払戻金を受け取る→それをそのまま次のレースの資金とする→的中すればまた次のレースの購入資金とする→さらに的中すれば……。この買い方は**「コロガシ」**と呼ばれています。もちろん、どこかで外れてしまうとコロガシは失敗となります。
コロガシを成功させるコツは、高い的中率をキープすることです。その点で、的中させやすい複勝はコロガシ向きの馬券と言えるかもしれません。
前述の通り、複勝の払戻金は低くなりがちですが、例えば1000円×1.5倍で1500円→1500円×2.0倍で3000円→3000円×1.8倍で5400円……などと、地道にコツコツ増やせる可能性は、他の馬券種別よりも高いと言えるでしょう。もし、「絶対に3着以内に入る」と自信を持てる馬が1日に何頭もいるようなら、複勝コロガシに挑戦してみるのも楽しいかもしれません。
『データde出~た』を活用して複勝コロガシに挑戦
的中させやすい反面、払戻金が低くなりがちな複勝は、**「できる限り的中させなければならない馬券」**とも言えます。
万馬券が出やすい3連複や3連単では、数レース続けて外しても、1回の的中で大きく巻き返すことが可能です。いっぽう、複勝は払戻金が200円未満になることも珍しくありません。つまり、1回の的中で一気に資金を増やすというよりも、確実に当ててコツコツ資金を蓄える、あるいはコンスタントに的中させて資金を減らさないための馬券と言えるでしょう。
ポイントは**「確実に3着以内に入りそうな馬」を見つけることです。また、「人気薄だけれど3着ならチャンスがある馬」**の複勝を購入してレースを観るのも楽しみの一つです。
そのために重要なのは、やはりデータの活用です。JRA-VANデータを集計・分析し、3着以内に入る確率の高いタイプを見つけ出しましょう。また、毎週行われる重賞や季節ごとのレースについての傾向などを整理した『データde出~た』も、好走確率の高いタイプを見つけるのに役立ちます。
JRA-VANには様々なサービスがあります。PCソフトのJRA-VAN NEXT(ネクスト)、スマートフォンアプリ、ニッチなデータを見たい方にはJRA-VAN DataLab.(データラボ)、手軽に予想をしたい方にはJRA-VAN TRYなどがあり、**JRA公式データ(過去レースデータや出馬表・オッズ・調教データや血統情報等)**が30年分利用でき、競馬ファンに広く愛用されています。
「3着以内に入る馬」を見つけることに慣れてきたら、いずれは複勝コロガシにもチャレンジしてみるのも面白いでしょう。