馬単は1着と2着を着順通りに当てる馬券
馬単とは、1着と2着になる馬の馬番号を着順通りに当てる馬券です。1着と2着を当てる馬券としては馬連がポピュラーですが、着順通りに当てるというのが馬単の特徴です。そのため、馬単は馬連に比べると的中の難易度が高くなり、その分配当も高くなります。このため、競馬初心者には少し難しいかもしれません。
馬単を購入する際は、「連対が期待できそうな馬」ではなく、「勝てそうな馬」を見極めることが重要です。特に単勝が狙える馬がいる時には、馬単を買うチャンスです。また、2着候補となる馬が絞れる場合は、積極的に馬単を購入するのが良いかもしれません。
馬単の“裏表買い”は理にかなわない
馬単は、馬連に見立てた買い方をすることもできます。例えば、馬番①と②の組み合わせを買いたい場合、馬単①→②と馬単②→①の2点を購入して、馬連①-②に見立てる方法です。これを**馬単の“裏表買い”**と呼びます。この方法では、①と②が連対さえすれば的中馬券を手にすることができます。
ただし、買い目数が馬連の2倍になるため、資金配分や配当次第では損をする可能性が高まります。もし馬単の裏表それぞれの配当が、馬連の2倍以上であれば馬単を選ぶ方が得になりますが、実際にはそのような状況はほとんどありません。
2021年春に行われた3つのG1競走を例に見てみましょう。
日本ダービーでは、4番人気のシャフリヤールが勝利し、1番人気のエフフォーリアが2着に敗れたため、馬連は1,010円に対して馬単は3,360円となり、馬連の約3.3倍の配当がつきました。しかし、もし1、2着が逆だった場合、馬単は1,250円となり、馬連の約1.2倍の配当でした。
安田記念では、8番人気のダノンキングリーが勝ち、2着に1番人気のグランアレグリアが入ったため、馬連は2,950円に対して馬単は12,090円の高配当となりました。逆に、馬単は3,690円となり、馬連の約1.25倍の配当でした。
宝塚記念では、1着に1番人気のクロノジェネシス、2着に7番人気のユニコーンライオンが入ったため、馬連は2,780円、馬単は3,930円で、馬連の約1.4倍の配当となりました。
このように、1番人気が連対を果たしても、2着の場合、馬単は高い配当が期待できます。しかし、1着の場合、馬連の1.5倍未満の配当になってしまいます。したがって、馬単の裏表を両方購入した場合(資金を半分ずつ配分した場合)、人気がない馬が勝てば大きな利益が得られますが、そうでない場合、利益は非常に少なくなり、「トリガミ」(当たり馬券で損をすること)の危険もあります。このため、最初から馬連1点に絞って購入する方が良い場合が多いです。
そもそも、馬券には各券種に応じた控除率が定められています。馬単の控除率は75.00%、馬連は77.50%であり、元々馬連の方が得な馬券となっています。したがって、馬単の裏表買いは理にかなわない買い方であり、馬連の代用にはならないのです。
馬単は着順を固定して買う馬券
**馬単の“裏表買い”**が良くないのであれば、**表(1着固定)または裏(2着固定)**のどちらかを選んで購入すれば問題ありません。
基本的な買い方としては、2つのパターンがあります。1つは1着固定、もう1つは2着固定です。これらの買い方は、特定の馬を1着または2着に固定したい場合に非常に有効です。つまり、特定の馬が着順に影響を与えると予想できる場合、馬単を使うことで有利に戦えることができます。
- (1)勝利が期待できる馬がいて、その馬を1着固定にした馬単
- (2)1着よりも2着が期待できる馬がいて、その馬を2着固定にした馬単
(1)シンプルな考え方です。本命馬を1着に固定し、2着候補を何頭か選んで買う『流し馬券』が一般的です。本命馬を単勝で買う自信があり、かつ2着候補を絞れる場合にオススメの馬券です。この方法は、勝つ可能性の高い馬を中心にし、着順を予測しやすくするため、特に初心者に向いています。
(2)難しい考え方ですが、ここでは「本命馬が勝ってはダメ」という視点が出てきます。ベテランの競馬ファンでも、この考え方に違和感を覚えるかもしれません。「勝つのは厳しいが、2着ならば可能性があるかもしれない」と思った馬でも、勢い余って勝ってしまうことがあるので、なかなか買いづらいものです。しかし、もしその本命馬が人気薄だった場合、2着固定よりも1着に来る方が馬単の配当が高くなります。こうした場合、2着固定で高配当を逃すのはショックが大きいため、この買い方は避けた方がよいことが分かります。代わりに、馬連を使うのが適切です。
(3)の買い方が有効なのは、本命馬が1着よりも2着の方が馬券的に妙味がある場合です。特に、1番人気の馬を2着固定にする馬単は、人気馬が2着に敗れることで良い配当が期待できる場面に有効です。例えば、前述の日本ダービーや安田記念では、1番人気のエフフォーリアやグランアレグリアが2着に敗れ、高配当が得られました。こうしたレースでは、1着固定の馬単よりも2着固定の方が配当が良い場合が多いです。
馬単と馬連を両方買うときは資金配分がカギ!
もし馬単と馬連を両方買いたい場合、資金配分が重要になります。例えば、何よりも**“トリガミ”**(馬券が当たっても損をすること)を避けたい場合は、保険として資金の少額を馬連に回すのが効果的です。この場合、実際のオッズを見て馬連が当たれば『回収率』100%(プラスマイナスゼロ)になるように調整し、残りの資金で馬単を買うと良いでしょう。
逆に、馬連をメインとして資金の大半をつぎ込み、ボーナス馬券として馬単を少額だけ買う方法もあります。資金の半分以上を馬連に回せば、よほど低い配当でない限り、当たればそれなりに利益が出るはずです。馬単は「当たればラッキー」くらいの感覚で少額にしておくと、気楽に競馬を楽しみながらリスクを分散できます。
馬単を購入するならJRA-VANを参考に!
JRAで馬単が導入されたのは2002年ですが、2004年に3連単が導入されたことで、馬単はあまり人気がなくなり、売り上げも伸びませんでした。ハイリスク・ハイリターンな『3連単』や、オーソドックスでバランスが取れた『馬連』に比べると、馬単は中途半端な性質の馬券といえるかもしれません。
しかし、馬単は当たれば破壊力のある馬券であり、馬連だけでなく『ワイド』など他の馬券と併用することで、その効果を発揮することができます。どの馬をどう買うかを決めるには、出走各馬の実力を正確に見極めることと、オッズの比較が不可欠です。これらの情報とデータをリアルタイムに取得できるのがJRA-VAN。上手にデータを活用して、馬単を使いこなしてみてはいかがでしょうか。