JRAの女性騎手3人が活躍する時代
2016年にデビューした藤田菜七子騎手の活躍により、中央競馬に久々に女性騎手の話題が戻ってきました。2021年には永島まなみ騎手と古川奈穂騎手がデビューし、JRAの女性騎手は3人となりました。これにより競馬界が一層華やかになり、新たなニュースが生まれました。
特に注目すべきは、2021年4月17日（土）新潟7レース（4歳以上1勝クラス・ダート1800m）での出来事です。このレースで1着は古川奈穂騎手、2着は藤田菜七子騎手、3着は永島まなみ騎手が占め、JRA女性騎手が1・2・3着を独占するという史上初の快挙が達成されました。GⅠシーズンの裏開催に行われた平場戦ではありましたが、この結果は大きな話題となり、競馬界に新たな歴史を刻みました。
海外や地方でも女性騎手は活躍
JRA初の女性騎手は1996年にデビューした細江純子、牧原由貴子、田村真来の3人です。彼女たちは競馬学校騎手課程12期生で、同期には福永祐一騎手や和田竜二騎手がいます。牧原騎手はデビュー年に9勝を挙げましたが、ケガの影響などもあり、その後は勝ち星を伸ばすことができませんでした。13年まで現役を続けたものの、JRAでの生涯通算勝利数は34勝で引退しました。細江騎手は現役時代、目立った成績を上げることはできませんでしたが、引退後は競馬評論家・解説者としてテレビ・新聞・雑誌などで活躍しています。
その後、JRAでは97年に板倉真由子と押田純子が騎手デビューし、00年には西原玲奈が6人目の女性騎手としてデビューしました。しかし、ケガやその他の理由で騎乗機会に恵まれず、目立った活躍ができずに引退するケースが多かったのが現実です。
女性騎手の活躍は中央競馬だけでなく、海外や地方競馬にも広がっています。アメリカのジュリー・クローン騎手は通算3704勝（うち重賞132勝）を挙げ、GⅠではベルモントSやブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズを制覇しました。ニュージーランドのリサ・クロップ騎手は94年に女性初のJRA短期免許を取得。ロシェル・ロケット騎手（同国）は02年に中山大障害をギルデッドエージで優勝し、JRAのGⅠ（J・GⅠ）を初めて制した女性となりました。また、名古屋競馬所属の宮下瞳騎手は20年10月に地方競馬通算900勝を達成し、日本における女性騎手の最多勝利記録を保持しています。
女性騎手は永久的に2キロ減
JRAは2019年3月から、女性騎手に対する負担重量の新制度を導入しました。この制度では、通常の競走（特別競走やハンデキャップ競走を除く）において、女性騎手は永久的に2キロの軽減を受けることができます。この減量制度は免許取得後5年未満の騎手全員に適用され、男性騎手に比べてさらに2キロ減量される（最大で4キロ減）ことが可能です。しかし、男性騎手は免許取得後5年以上経過するか、通算勝利数が101勝以上になると減量の恩恵を受けられなくなりますが、女性騎手の場合は2キロの減量がずっと残ります。
負担重量の軽減はレースにおいて大きな影響を与え、1キロでも2キロでも少ない斤量で出走できることが有利であることは間違いありません。女性騎手へのこの優遇措置に対して不公平だという意見もありますが、実際には男女の身体能力差が存在し、他のスポーツでも男性と女性を区別して種目が設けられています。JRAのこの新制度導入をきっかけに、全国各地の地方競馬でも同様の制度が広がるようになりました。
女性騎手の減量制度導入に際し、JRAは「女性騎手の騎乗機会を確保し、長く現役で活躍してもらいたい」という意図を示しました。また、女性騎手の活躍を通じて競馬界全体が盛り上がることを期待する気持ちも込められていると感じられます。
藤田菜七子騎手の軌跡と未来
藤田菜七子騎手は、2016年3月に騎手デビューを果たし、それ以来多くの記録を更新してきました（表参照）。JRAにおける女性騎手の誕生は久しぶりの出来事であり、当初から騎乗機会に恵まれていたものの、彼女が着実に勝ち星を重ねてきたのは、その努力の賜物に他なりません。所属している根本康広厩舎（調教師）や周囲のサポートも大きな支えとなっていることは間違いないでしょう。大きなケガや病気なく、無事に騎乗を続けられれば、今後もJRA女性騎手として新たな記録を作り続けることができるに違いありません。
「JRAのＧⅠ制覇はいつになるか」というのは、藤田菜七子騎手にとって今後の大きな目標であり、ファンの注目を集めるテーマです。騎手として、やはり日本ダービーや有馬記念といったビッグレースを制覇する夢を抱くのは当然のこと。しかし、ＧⅠ制覇は決して容易なものではなく、JRAに所属する全騎手の中でも平地ＧⅠを勝ったことがある騎手は限られています。いい馬に巡り合うことや、運も大いに影響を与える要素となるでしょう。
JRA-VANで騎手を追いかける
競馬において、馬の力が第一であることは間違いありませんが、その馬の能力を最大限に引き出せるかどうかは騎手の腕次第です。競馬予想において騎手の影響は大きく、レースの人気にも直結します。特にトップジョッキーが騎乗する馬は人気になりやすく、実際に好成績を収めることが多いです。外国の超一流ジョッキーが短期免許でJRAに来て大活躍するシーンも見かけます。
トップジョッキーが騎乗する馬を選ぶという方法はシンプルで効果的な馬券戦略ですが、その分配当が安くなる傾向があります。高配当を狙うのであれば、その他の騎手についてもしっかりと情報を収集し、分析することが重要です。例えば、特定の騎手が得意とする距離や競馬場を知り、それを馬券に活かす方法です。
これらの情報を効率よく調べ、データを分析して馬券に役立てるために便利なのがJRA-VANです。リアルタイムで情報を取得でき、より効果的な馬券の買い方を見つけることができます。データを上手に活用して、競馬の楽しさを一層深めてみてはいかがでしょうか。
