打ち始める前に確認しておきたいルール
皆さんは麻雀を打つとき、どのようなルールを採用していますか?麻雀には数多くのルールや取り決めがあり、プロであっても所属する団体や参加する大会によって大きく異なり、ルールは統一されていません。そこで、麻雀を打ち始める前に確認しておきたいルールについて
- 試合進行に関するルール
- 点数に関するルール
- 役に関するルール
という3つのジャンルに分けて、ほとんどの人が参照するであろうプロリーグ(Mリーグ)・ネットゲーム「天鳳」の公式大会・雀荘Zooの大会を比較しながら紹介します。
日本プロ麻雀連盟公式ルールや日本プロ麻雀協会公式ルールとの違いなども一部紹介するので、あわせて参考にしてみてください。
試合進行に関するルール
まずは試合進行に関するルールについて解説します。長期的な戦略に関わる部分なので、対局開始前にしっかりと確認しておきましょう。
一局の長さ
そもそもこの対局が東風戦なのか半荘なのか、しっかりと確認しておきましょう。基本的には半荘で実施することが多いかと思います。稀に全荘戦や一局戦、東北戦などのルールが採用する場合があるので注意が必要です。また、終局時の持ち点によって西入や北入があるのかの確認も忘れてはいけません。
連荘条件
どのような条件の時に連荘できるのか確認しましょう。親がアガったときだけ連荘可能なのか、親が聴牌の状態で荒牌流局したときも連荘可能なのか、主にこの点が議論の中心となるはずです。
途中流局の有無
途中流局が起こる場合として、錯和、四風連打、九種九牌、四家立直が発生したときなどが考えられます。
「全てにおいて途中流局をする・しない」、「四風連打と九種九牌は流局するけど四家立直は続行」など、対局によって大きくルールが変わります。途中流局が発生する機械自体が珍しいことではありますが、焦ることのないよう開始前に確認をしておきましょう。
アガリやめ
アガリやめとは、オーラスで親が連荘可能の時、連荘をしないでその対局を終わらせることができるルールです。アガリやめを認めない場合、その局が流れるまで続行します。
試合進行に関するルールの比較
Mリーグと天鳳段位戦、雀荘Zooの学生選手権のルールを比較してみます。
局の長さ | 連荘条件 | 途中流局 | 局の長さ | アガリやめ | |
Mリーグ | 4人打ち東南戦 | 親の聴牌・アガり | なし | なし | |
天鳳(段位戦) | 4人打ち東南戦 | 親の聴牌・アガり | あり(すべて連荘) | あり | |
雀荘Zoo (学生選手権) | 4人打ち東南戦 | 親の聴牌・アガり | あり(すべて連荘) | あり |
Mリーグではオーラスのアガリやめがなく、子の誰かがアガる、もしくは局が流れるまで試合が続行されます。親は安手で逃げ切ることができないため、最後の最後まで白熱した試合を見れるでしょう。また、途中流局もないため、誰かがアガるか荒牌流局するまでしっかりと打ち切る姿を見れます。
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点数に関するルール
点数に関するルールとして、対局開始時の持ち点や飛びの点数、半荘終了時の点数の扱いなどがあります。また、焼き鳥や割れ目といった特殊なルールもあるため注意しましょう。
対局開始時の持ち点
対局開始時の得点は、一人25000点が一般的なルールです。そのほかに、一部の東風戦では20000点持ちが採用されていたり、競技麻雀では30000点持ちが採用されていたりします。
飛びの点数
飛びとは、プレイヤーの持ち点が0点またはマイナスになってしまった状態を意味します。持ち点0点の状態を飛びとする場合と0点は飛びとしない場合があります。また、プレイヤーが飛んだ場合その地点で対局を終了とするのが一般的ですが、競技麻雀では飛んでも対局を続行するルールを採用していることがあります。
飛ばしたプレイヤーに対して「飛び賞」を渡すようなルールも採用されています。飛び賞の内容に関しても、チップでの清算や10000点の支払いなど、さまざまなルールが採用されています。
ウマオカ
麻雀では、一回の対局ごとに結果をポイント形式で集計します。集計は持ち点1000点を1ポイントとして、小数第一位まで計算されます。その計算後、順位によってポイントにボーナスをつけるのがウマ・オカのルールです。
ウマ
ウマは、順位が4位のプレーヤーから1位のプレーヤーに、3位のプレーヤーから2位のプレーヤーにそれぞれポイントをプレゼントするルールです。よく「10-20」(ワンツー)や「10-30」(ワンスリー)というルールが採用され、ワンツーの時は3位から2位に10ポイント、4位から1位に20ポイント渡され、ワンスリーの時は3位から2位に10ポイント、4位から1位に30ポイント渡されます。
オカ
オカとは、トップのプレーヤーにボーナスをプレゼントするルールです。よく、「25000点持ち 30000点返し」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?これは、「対局開始時に本来30000点持っているけれども、その中から5000点を全プレーヤーで出し合って25000点を持ち点にし、対局終了時に預けた5000点×4人分を1位の人が総取りしましょう。」という意味です。つまり、対局終了後の清算時に、ルールによっては「25000点持ち 28000点返し」や日本プロ麻雀協会公式ルールのように「30000点持ち 35000点返し」が採用されることもあります。
焼き鳥
焼き鳥とは、一回の対局中に一度も上がることができなかったプレーヤーに対して課されるペナルティです。焼き鳥のプレーヤーは清算時にマイナス10ポイントされるというようなルールが採用されていることがあります。しかし、一概にルールが決まっているわけではないので、焼き鳥を採用するか、採用した場合どのようなルールにするか、は対局前に確認しておきましょう。
割れ目
割れ目とは、開門位置(配牌を始める牌山の位置)に座っているプレイヤーの得点の受け渡しが2倍になるルールです。例えば、割れ目が親で満貫をアガった場合、通常は12000点のところ割れ目ルールが適用されるため24000点になります。一方、同じく割れ目が親で子が満貫をツモアガリしたとき、通常2000-4000で親が支払うのは4000点のところ割れ目ルールの適用により8000点支払わなくてはならなくなります。
点数に関するルールの比較
Mリーグと天鳳段位戦、雀荘Zooの学生選手権のルールを比較してみます。
持ち点 | 飛びの点数 | ウマ | オカ | 焼き鳥 | 割れ目 | |
Mリーグ | 25000点 | なし(マイナスでも続行) | 30-50 | 25000-30000 | なし | なし |
天鳳(段位戦) | 30000点 | マイナスで終了。0点は続行。 | 10-20 | 30000-30000 | なし | なし |
雀荘Zoo (学生選手権) | 25000点 | マイナスで終了。0点は続行。 | 10-20 | 25000-30000 | なし | なし |
Mリーグは点数がマイナスでも続行されるのに対し、天鳳の段位戦や雀荘の大会では点数がマイナスになると飛びが採用されています。また、どのルールでも焼き鳥と割れ目は採用されていません。割れ目が採用されている公式大会はフジテレビ系列で放送されている「THEわれめDEポン」が有名です。
役に関するルール
最後は対局中の役や手の進め方に関するルールについて紹介します。
アリアリ
アリアリとは、喰い断と後付けの両方を認めるルールを指します。喰い断と後付けを両方とも認めないナシナシルールや、喰い断は認めて後付けは認めないアリナシルール、喰い断は認めないが後付けは認めるナシアリルールもあるので、事前にどのルールを採用するか確認しておきましょう。
一発・裏ドラ・槓ドラ
立直して一巡以内にアガリ牌が出てアガるとき、一発という役が付きます。この役は一般的に広く使われていますが、一部の競技麻雀では「偶然性が高い」という理由で採用されていないことがあります。同じく「偶然性が高い」という理由で採用されていないものに裏ドラ・槓ドラ・槓ウラがあります。これらも一般的に普及しているため多くのオンラインゲームや大会でも採用されていますが、表ドラのみを採用する場合、表ドラと槓ドラを採用し裏ドラと槓ウラを採用しない場合を採用しない場合、表ドラと裏ドラを採用し槓ドラと槓ウラを採用しない場合など、ところによってはイレギュラーなルールが採用されています。
振り聴リーチ
フリテンリーチとは、振り聴の状態でリーチをすることです。フリテンでもツモアガリは可能のため、ツモアガリをすることができればリーチの役が付き、裏ドラを確認できます。フリテンリーチが禁止の場合、流局時に罰符の支払いが必要になったり、当り牌をツモってもアガれなくなります。
フリテンリーチについて決まったルールはなく、対局に参加しているプレーヤー同士で取り決めをするのが一般的です。
ダブロン・トリロン
ダブロンとは、あるプレイヤーの捨て牌で2人のプレイヤーがロン宣言をすることです。ダブロンを認めるルールだと2人ともアガりが認められ、振り込んだプレーヤーは両者に点数を支払う必要があります。ダブロンが認められていない場合、基本的には上家取りというルールが採用されており、ツモ番が近いプレーヤーにのみアガりが認められます。
トリロンは、あるプレイヤーの捨て牌で3人のプレイヤーがロン宣言をすることです。ダブロンと同様、トリロンが認められている場合、振り込んだプレーヤーは3人に点数を支払う必要があります。トリロンが認められない場合、ダブロンと同様に上家取りとなる場合と、流局扱いになる場合があります。
トリロンは滅多に起こることはありませんが、万が一に備えてどのルールを採用するか決めておくと良いでしょう。
責任払い
責任払いとは、ある特定の役のアガりが発生した時に、その役を確定させる鳴きを許したプレイヤーがその点数を支払うルールです。例えば、白と發をポンしているプレーヤーAに自分が捨てた中をポンされたとき、自分の捨て牌によってプレーヤーAの大三元が確定してしまいます。この場合、プレーヤーAがツモアガりした場合は自分が全部、プレーヤーBからロンアガりした場合はプレーヤーBと自分が半分ずつ点数を支払う必要があります。
喰い替え
喰い替えとは、完成している面子のうち2枚を使って副露し、残りの1枚を捨てる行為です。よく初心者が三色同順の役やドラをつけるためにやってしまいがちです。基本的にどのルールでも喰い替えは禁止されており、認められていることのほうが少ないです。
役に関するルールの比較
Mリーグと天鳳段位戦、雀荘Zooの学生選手権のルールを比較してみます。
喰い断/後付け | 一発 | 裏ドラ/槓ドラ/槓ウラ | フリテンリーチ | ダブロン | トリロン | 責任払い | 喰い替え | |
Mリーグ | アリ/アリ | あり | あり/あり/あり | あり | 上家取り | 上家取り | あり | 禁止 |
天鳳(段位戦) | 選択可/アリ | あり | あり/あり/あり | あり | あり | あり | あり | 禁止 |
雀荘Zoo (学生選手権) | アリ/アリ | あり | あり/あり/あり | あり | あり | あり | あり | 禁止 |
Mリーグではダブロンやトリロンは採用されず、上家取りが採用されています。一方、それ以外のルールに関しては概ね同じルールが採用されています。ここでは紹介していませんが、日本プロ麻雀連盟公式ルールでは裏ドラが採用されていなかったりします。
打ち始める前に確認しておきたいルールのまとめ
麻雀を打ち始める前に確認しておきたいルールについて、試合進行、点数、役の3つの観点から解説をしました。ここに書かれていること以外にも細かなルールは数多く存在し、どれも公式ルールとして定まってはいません。大会やゲーム、雀荘、相手によってルールは大きく変化します。今から自分が打つ卓ではどのようなルールが採用されているのかを把握して、どのようなルールでも慌てることのないように勉強しておきましょう。
本場とは?
麻雀の本場(ホンバ)とは、親が連荘した場合や荒牌平局(牌山が無くなって流局した場合)によって、連続した局数を指します。これを1本場(イッポンバ)、2本場(ニホンバ)…と数え、一定の本場数が経過した場合にその分の点数が加算されます。
本場が生じたとき、親は卓の右隅に100点棒を使って本場数を表示することがあり、この100点棒は積み棒と呼ばれます。積み棒は供託金のように全プレイヤーが共通で使用するものではなく、本場数がリセットされた際には積み棒を出したプレイヤーが回収します。
荒牌平局(読み方:ホワンパイピンチュー、こうはいへいきょく)とは、王牌の14枚以外に山の残りがなくなったときに流局となることです。単に流局というときは、一般にこの荒牌平局のことを指します。
本場数が増える例・増えない例
本場数の取り決めについて、具体的な例を挙げながら見ていきましょう。以下、東1局で本場なしの状態を仮定します。
- 親が和了した場合→次局:東1局1本場(親の連荘)
- 子が和了した場合→次局:東2局0本場(本場数は増えない)
- 流局して親がテンパイしていた場合→次局:東1局1本場(親の連荘)
- 流局して親がノーテンだった場合→次局:東2局1本場(親流れ)
その通りです。本場数は、子が和了した場合にリセットされます。つまり、子が和了した時点で本場数が0に戻り、次の局から本場数が再び1本場から数え直されます。
一方、親流れ(荒牌平局や親の連荘による流局)で次局に移行した場合、親の連荘は継続するため、本場数はリセットされません。そのため、次局が流れ1本場と呼ばれることがあります。これは親が流局後に続けて親のままでプレイする場合に、次の局が「1本場の状態」とされることを意味します。
点数計算例
4人麻雀の場合、加算される点数はロン和了の場合1本場につき300点(または1500点)、ツモ和了の場合1人100点(または500点)となります。
以下、1本場につき300点の場合にどのような点数計算が行われるかについていくつか例を挙げます。
- 子・2翻30符のロン和了・1本場→2000点+300点=2300点
- 子・1翻40符のロン和了・2本場→1300点+600点=1900点
- 親・3翻30符のツモ和了・1本場→2000点+100点=2100点オール
- 子・満貫のツモ和了・3本場→(子から2000点・親から4000点)+300点=子から2300点・親から4300点
3人麻雀においては、1本場につき1000点の加算とすることが多いようです。
本場に関する役満:八連荘
八連荘(読み方:パーレンチャン)とは、8回連続で和了することで成立するローカル役満です。すなわち、8本場まで和了し続けると成立します。定義に多少の揺れがあり、途中の過程に依らず8本場のとき和了した場合に八連荘とする取り決めもあります。
本場に関してよくある質問
九種九牌や四風連打などで途中流局となった場合、本場数はどうなりますか?
九種九牌や四風連打などで途中流局が発生した場合、通常は親が連荘し、本場数が増加します。
一方、チョンボによって局が続行できなくなった場合、本場数は増減せず、局をやり直すことが一般的です。
本場に関して覚えておきたいポイントまとめ
本場とは、親の連荘または荒牌平局により連続して行われる局数を指し、その本場数に応じて和了の点数が加算されます。
自動卓には本場数を中央のランプで示してくれるものもありますが、積み棒の出し忘れや和了時に本場数を加え忘れることもよくあります。
また、自風や場風についても同様のことが言えますが、現在何場の何局目の何本場かを自分で逐一確認しながらプレイすることが重要です。
四風連打とは?
麻雀の四風連打(読み方:スーフーレンダ)とは、最初の打牌で全プレイヤーが同じ風牌を捨てた場合に流局とするローカルルールです。ただし、1巡目でチー・ポン・カンがあった場合は成立しません。また、字牌の中でも風牌(東・南・西・北)のみが条件に該当し、三元牌(白・撥・中)を全プレイヤーが1巡目に捨てていても流局にはなりません。
四風連打の正式名称
四風連打(スーフォンレンタ・スーフーレンダ)は正式名称を四風子連打(スーフォンツリェンター)といいます。また、四家同風(スーチャトンフォン)という別名も存在します。
四風子連打に関してよくある質問
1打目で全プレイヤーが同じ三元牌(白・撥・中)を捨てた場合、流局となりますか?
成立しません。流局となるのは風牌(東・南・西・北)の場合のみです。
四風連打となる前にダブル立直があった場合はどうなりますか?
ダブル立直はチー・ポン・カンのどれにも該当しないため、プレイヤーの誰かがダブル立直を宣言した後でも、条件を満たしていれば四風連打が優先されて流局となります。
四風連打で親は流れますか?
場合や地域によってルールが分かれます。「連荘」「親の場合のみ連荘」「親流れ」の3パターンがありますが、親の連荘とすることが多いようです。
四風子連打で連荘になった場合の積み棒は?
親の連荘とする場合、積み棒を増やします。
四風連打以外に途中流局となるルール
麻雀では、四風子連打の他にも途中流局となるルールが存在します。どれもローカルルールであり、採用されないことも多くあるので事前に確認しておくのが良いかもしれません。
九種九牌
九種九牌(読み方:キュウシュキュウハイ)とは、親の配牌時または子の第1ツモにて手牌の中に么九牌(1,9,字牌)が9種類以上ある場合に、手牌を公開して流局とすることができるローカルルールです。ただし、宣言前に暗槓をしていたり、第1ツモの前に他家のチー・ポン・カンがあった場合は成立しません。
四開槓
四開槓(読み方:スーカイカン)とは、同一の局内で複数のプレイヤーにより4回のカンが行われた場合に流局とするルールです。ただし、1人のプレイヤーが4回の槓を行った場合、すなわち四槓子のテンパイとなったときは流局となりません。
四家立直
四家立直(読み方:スーチャリーチ)とは、同一の局内で4人全員が立直をした場合に流局とするルールです。四家立直を採用しない場合は、4人が立直をした状態で局を続行します。
三家和
三家和(読み方:サンチャホー)とは、あるプレイヤーの打牌に対して、他3人全員からロンの発声があった場合、すなわちトリロンが起きた場合に流局とするルールです。
四風子連打に関して覚えておきたいポイントまとめ
四風子連打は、最初の打牌で全プレイヤーが同じ風牌を捨てた場合に流局とするローカルルールです。ただし、1巡目でチー・ポン・カンがあった場合は成立しないため、注意が必要です。一般的には四風連打(スーフーレンダ)と呼ばれることが多いので、この呼び名で覚えておくと良いでしょう。
頭ハネとは
頭ハネ(読み方:アタマハネ)とは、1人の捨て牌に対して複数のプレイヤーが同時にロンをした場合に、和了者を1人に絞るルールのことを指します。一般的に、ロン和了をしたプレイヤーの中で上家にいるプレーヤーのアガりを認めることから、別名を「上家取り(かみちゃどり)」とも言います。
頭ハネが起きたときの例
プレイヤーAの捨て牌でプレイヤーBとプレイヤーDがロン宣言をしました。このとき、頭ハネルールを採用していると、プレイヤーBとDのうちその局で上家に座っているのはBのため、Bのみがアガることができ、プレイヤーDはロン和了できません。もし上家が誰かわかりにくかった場合は、「ツモ番が一番近い人」と考えておくとよいかもしれません。
頭ハネを採用しないとき
頭ハネを採用しないルールの時、一人の捨て牌で複数人がロン和了する場合と流局になる場合があります。
ダブロン
ダブロンは、1人の捨て牌に対し2人がアガリ宣言をすることです。放銃者はそれぞれに点数を支払います。
トリロン
トリロンはトリプルロンの略で、1人の捨て牌に対し3人がアガリ宣言をすることです。三家和(サンチャホー)とも呼ばれます。トリロンの場合、放銃者はそれぞれに点数を支払う場合と、流局にする場合があります。
オンラインゲームでの頭ハネ採用状況
主な麻雀オンラインゲームにおける頭ハネの扱いについて以下にまとめました。
ゲーム名 | Maru-Jan | じゃんたま | 天鳳 | MJ |
---|---|---|---|---|
頭ハネ採用 | 採用なし | 採用なし | 採用なし | 採用なし(大会では採用) |
このように、オンラインゲームではほとんど採用されていません。しかし、プロ麻雀競技団体では頭ハネが採用されています。Mリーグでも頭ハネを採用しており、2019年シーズンには二局連続で頭ハネが発生するような事態も起きました。
頭ハネのまとめ
頭ハネとは、1人の捨て牌に対して複数人のアガリ宣言があったとき、アガりプレイヤーを1人に絞るルールのことです。
漫画『アカギ』の一幕で「残念…頭ハネだ」という名言があります。頭ハネルールを採用する際は、一度でいいから言ってみたいセリフですよね。ただし、発声が遅れているためロン扱いしてもらえず、アガれないということになってしまったら本末転倒です。このような行為はタブーですので、あくまでも仲間内で楽しむ程度にしておきましょう。
頭ハネはアガっているのに点数が入らなくなる可能性のあるルールなので、打ち始める前に確認を怠らないように気を付けてください。
九種九牌とは?
麻雀の九種九牌(読み方:キュウシュキュウハイ)とは、親の配牌時または子の第1ツモにて手牌の中に么九牌(1,9,字牌)が9種類以上ある場合に、手牌を公開して流局とすることができるローカルルールです。
九種九牌の基本的な条件
以上が基本的な条件ですが、次のような場合は九種九牌が成立しないので注意しましょう。
- 第1ツモ時に暗槓をした場合
- 自身の第1ツモ(子)の前に他家のチー・ポン・カンがあった場合
九種九牌の宣言をするかしないかは本人の自由であり、条件を満たしていても宣言をせず、そのまま国士無双狙いで局を続行させるという戦略も一つの手です。
また、1巡目に么九牌が9枚以上あっても、8種類以下であるときは成立しません。九種九牌が成立するのはあくまで么九牌が9種類以上の場合に限ります。
九種九牌の名前の由来
九種九牌の正式な名称は「九種么九牌倒牌」(キュウシュヤオチューハイトウハイ)といい、これを省略して現在のような呼び名になったようです。
また、九種九牌の「九牌」は么九牌のことを指しており、1巡目に么九牌が9枚・10種類あることを「九種十牌」などと呼ぶことがありますが、これは厳密には誤りということになります。
九種九牌に関するローカル役
十三不塔
十三不塔(読み方:シーサンプーター、シーサンプトウ)とは、親の配牌時または子の第1ツモにおいて、順子や刻子がなく、塔子(待ち牌)もないが、雀頭(対子)が1組だけある状態を指す特別な役満のローカルルールです。
九種九牌と同様に、1巡目で発生するローカルルールであり、手牌が非常にバラバラな状態であることが特徴的です。
九種九牌に関してよくある質問
九種九牌を宣言することは必須ですか?
いいえ、九種九牌の条件を満たしていても、宣言をせずそのまま局を進めることも可能です。国士無双や混老頭など么九牌を使った役を狙うこともできます。
九種九牌を宣言するメリットは?
他家の手牌が良さそうなときや国士無双を狙えなさそうなときに、流局にして手牌を変更できるのが最大のメリットと言えます。
他家のダブル立直の後に九種九牌を宣言することはできますか?
ダブル立直はチー・ポン・カンのどれにも該当しないため、他家がダブル立直を宣言した後でも、条件を満たしていれば九種九牌を宣言することは可能です。
么九牌が10枚以上ある場合でも成立しますか?
成立します。九種類、合計九牌以上になるときは必ず条件を満たしているため、九種九牌を宣言できます。
九種九牌で親は流れますか?
場合や地域によってルールが分かれます。「連荘」「親の場合のみ連荘」「親流れ」の3パターンがありますが、親の連荘とすることが多いようです。
九種九牌で連荘になった場合の積み棒は?
親の連荘とする場合、積み棒を増やします。
オーラスに九種九牌であがり止めはできる?
九種九牌はあくまで「流局」であり、あがり止めはできません。再び配牌からやり直します。
九種九牌に関して覚えておきたいポイントまとめ
九種九牌とは、1巡目で手牌の中に么九牌が9種類以上含まれている場合に流局とすることができる、元は中国で生まれたローカルルールです。ローカルルールなので、Mリーグなどでは採用されていません。宣言前に暗槓をしていたり、第1ツモの前に他家のチー・ポン・カンがあった場合は九種九牌を宣言することはできないため、注意しましょう。
また、九種九牌の条件を満たしていても宣言をしないでそのまま局を続行することも可能です。国士無双や混老頭などの手を狙いたい場合はスルーしてしまうのも良いかもしれませんし、サンマならなおさらそのまま続行してもいいでしょう。あまりにもヤオチュー牌が多い場合は流し満貫を狙うのもいいかもしれません。
罰符とは?
麻雀の罰符(読み方:バップ)とは、錯和(反則行為)の際に課せられるペナルティの一種です。特に、局の進行が困難になるような重大な錯和をしてしまった際に罰符が適用されます。
罰符は満貫払い(子の場合:親へ4000点・子へ2000点、親の場合:子へ4000点)とするのが一般的ですが、親か子かに関わらず他のプレイヤー全員に3000点の支払いとする取り決めもあります。
また、荒牌流局の際にノーテンであるプレイヤーが支払う点棒のことを俗に「ノーテン罰符」と呼びます。
罰符の対象となる行為
チョンボをしてしまったプレイヤーに課せられるペナルティは、主に罰符・アガリ放棄・供託の三種類がありますが、ここでは罰符の対象となる行為についていくつかご紹介します。
和了の間違いに関する罰符
テンパイしていない状態や、和了できない牌に対してロンやツモの発声をして和了しようとしてしまうことを俗に「誤ロン」「誤ツモ」などと呼びます。
このとき、発声のみで手牌を倒していなかった場合はアガリ放棄とするのが一般的ですが、発声後に手牌を倒してしまった場合には罰符の対象となります。
また、フリテンのときにロン和了をしてしまった場合も罰符の対象となります。フリテンの状態でもツモ和了は可能なので、区別して覚えましょう。
立直の間違いに関する罰符
テンパイしていない状態で立直をしてしまいそのまま流局となった場合、手牌公開の際に発覚し罰符の対象となります。このことを俗にノーテン立直と呼びます。途中で他のプレイヤーが和了してその局が終了した場合にはチョンボとなりません。
その他罰符の対象となる行為
- 多牌:手牌が通常より多い枚数である状態のこと。イカサマなどの不正行為も疑われてしまうため罰符の対象となる
- 少牌:手牌が通常より少ない枚数である状態のこと
- 自動卓でプレイしている場合、局の進行中に誤って卓を開けるスイッチを押して中に捨て牌を流してしまった場合
- 牌が積まれている山を大きく崩してしまった場合。軽微な崩れ方のときには供託で済ませて局を続行する場合もある
ノーテン罰符とは?
荒牌流局(王牌が14枚となるまで局が続行したとき流局となること)のときにノーテンであるプレイヤーとテンパイしていたプレイヤーが混在する場合、ノーテンのプレイヤーからテンパイしていたプレイヤーへ点棒の支払いが発生します。この際に支払う点数のことをノーテン罰符と呼びます。
テンパイ:あと一枚で和了できる状態であること。漢字表記は「聴牌」
ノーテン:テンパイしていない状態のこと。漢字表記は「不聴」
また、ノーテン罰符を避けるために局の終盤に副露をして役無しのテンパイ形を作ることがあります。これを形式テンパイと呼びます。
ノーテン罰符の支払いパターン
四人麻雀のノーテン罰符の例を紹介します。
3人がテンパイ、1人がノーテンの場合:ノーテンのプレイヤーからテンパイのプレイヤー全員へ1000点ずつ支払う
2人がテンパイ、2人がノーテンの場合:ノーテンのプレイヤーからテンパイのプレイヤーへそれぞれ1500点を支払う
1人がテンパイ、3人がノーテンの場合:ノーテンのプレイヤー全員からテンパイのプレイヤーへ1000点を支払う
4人全員テンパイの場合:ノーテン罰符の支払いは発生せず、親の連荘で次の局へ
4人全員ノーテンの場合:ノーテン罰符の支払いは発生せず、親が流れて次の局へ(次の局では本場数が1つ増える)
罰符に関して覚えておきたいポイントまとめ
「罰符」という言葉はチョンボの際のペナルティとして、または流局の際のノーテン罰符という二通りの使われ方があります。
チョンボの罰符では満貫払いとするのが一般的ですが、親と子で不平等にならないように一律3000点ずつの支払いとする場合も。ノーテン罰符はテンパイしていたプレイヤーの数に応じて支払う点数が変わるため要注意です。
花牌とは?
花牌(読み方:ファパイ・ハナハイ)は、ローカルルールで主に抜きドラとして使われることがある、麻雀のオプションアイテムです。「春」・「夏」・「秋」・「冬」の4種類があり、数牌としても字牌としても扱わない特殊な牌です。また、「梅」・「蘭」・「菊」・「竹」を模した牌も存在します。この4種を「草木牌」または「花牌」と呼び、春夏秋冬の牌を「季節牌」「季牌」と呼ぶこともあります。
花牌の主な役割
牌は、通常の麻雀の牌に加えて、特別な役をもたらす牌として採用されることが一般的です。特に、花麻雀と呼ばれる形式では、花牌が特別なルールで使用されます。
花牌は、3人麻雀の北牌と同じく、抜きドラとして使われることが多いです。普段使いの牌に花牌を加え、花牌をツモった際には、それを自分の手前に見せた状態で右端に並べます。局中に和了した場合、その和了点に加え、並べてある花牌1枚につき1翻が加算されます。このため、花牌はドラ(懸賞牌)と同じように扱われます。
また、花牌を使用した麻雀は、花麻雀と呼ばれ、主に中国で行われており、ボーナス点として扱われることが一般的です。
花牌を採用する際の王牌の注意点
花牌を抜いたあとは、嶺上牌から1枚引きます。よって、通常7トン(14枚)残さなければいけない王牌が足りなくなってしまうため、あらかじめ嶺上牌の部分を4枚増やしておく必要があるため注意しましょう。よって、三人麻雀で北ドラも用いる場合や春夏秋冬牌に加え梅蘭菊竹牌も使う場合は、通常より嶺上牌を4トン(8枚)増やしておかなければいけません。
「花牌」=「花札」?
「花牌」という言葉は、中国では花札の別名としても使われています。また、中国にて日本のかるた無いし百人一首のことを「花牌」と誤訳されたことがあるためか、漫画『ちはやふる』を中国語表記にすると「花牌情緣」となり、「花牌」の文字列が含まれています。
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花牌に関するローカル役
花牌に関するローカル役は数多くありますが、あまり知名度は高くないです。そんな花牌にまつわるローカル役の中でも、定義や翻数に揺れが少ない代表的なものを紹介します。
四華開嶺
四華開嶺(読み方:スーカカイリン)とは、花牌4枚を抜きドラとして採用するルールにて1人で花牌を4枚抜いたときに成立するローカル役満です。手牌の構成は不問で、役満として扱われるため運次第で1翻の手でも役満になります。
別名でそのまま「春夏秋冬」や「梅蘭菊竹」、花牌が4つあることから「四花和(スーホーホー)」、「四天花(スーテンカ)」などと呼ぶ場合もあるようです。
八仙過海
八仙過海(読み方:ハッセンカカイ)とは、「春夏秋冬」と「梅蘭菊竹」の合計8枚の花牌すべてを抜きドラとして抜いたときに成立するローカルダブル役満です。
花牌に関してよくある質問
花牌を抜いたあとはどこから牌を引きますか?
北ドラと同様に、花牌を抜いたあとは嶺上牌から1枚引きます。
花牌を抜きドラとして採用してる際、花牌がドラ表示牌となった場合どうなりますか?
一般的には、花牌1枚につき2翻分(ドラ2枚分)として扱うことが多いです。
花牌を手牌に加えて役を作ることはできますか?
花牌が手牌に含まれている状態で和了することはできません。3人麻雀における北は、抜きドラとして採用されている場合でも国士無双の構成牌として手に加えることもできますが、花牌の場合は手牌で使うことはできず面子や雀頭にはなりません。
花牌を抜いたあとの嶺上牌でツモったときに嶺上開花はつきますか?
つかないルールが多いようですが、嶺上開花が成立するというルールもあります。取り決め次第でしょう。
花牌を手牌に加えて役を作ることはできますか?
花牌が手牌に含まれている状態で和了することはできません。3人麻雀における北は、抜きドラとして採用されている場合でも国士無双の構成牌として手に加えることもできますが、花牌の場合は手牌で使うことはできず面子や雀頭にはなりません。
花牌を抜きドラとして採用してる際、花牌がドラ表示牌となった場合どうなりますか?
一般的には、花牌1枚につき2翻分(ドラ2枚分)として扱うことが多いです。
リーチをかけたあと1巡目のツモで花牌を引き、嶺上牌がアガリ牌だったときに一発はつきますか?
一発はつきません。
花牌について覚えておきたいポイントまとめ
一般的に、花牌とは数牌にも字牌にも分類されない「春」「夏」「秋」「冬」の4種の牌を指し、ローカルルールで抜きドラとして採用されていることがあります。
その場合、役割や扱いは3人麻雀の北ドラと同様です。また、日本ではあまり目にかかることがない「梅」「蘭」「菊」「竹」の、中国では四君子(しくんし)と呼ばれる図柄を用いた牌も花牌と呼ばれるものです。
「花牌や草木牌を東・南・西・北の位置に対応させてダブ東やダブ南のように2翻(≒ダブドラになる)」といったルールもあるようなので、仲間内で手打ち麻雀をする際には、春夏秋冬牌を使うルールを採用してみても面白いのではないでしょうか。
花牌を利用するゲームモードに対応した自動卓もあるので、自宅用に考えている方はこちらから探してみてください。
チョンボとは?
錯和(読み方:チョンボ)とは、麻雀における反則行為・ルール違反のことを指します。チョンボをしてしまったプレイヤーには、罰符・アガリ放棄・供託のいずれかのペナルティが課せられます。元来は「間違った和了」のことであり、和了条件を満たしていないのにロンやツモの発声をしてしまう(誤ロンや誤ツモと呼ばれる)ことを特に指します。
罰符とは?
罰符は、麻雀において他家全員に一定の点数を支払うことを指します。主にチョンボによる罰符や、流局時のノーテン罰符が該当します。
チョンボによる罰符
チョンボ(ルール違反)による罰符の場合、支払う点数は満貫に相当することが一般的です。具体的には、次のような支払いが行われます:
- 親の場合:他家全員に4,000点支払います。
- 子の場合:親へ4,000点、他の子へ2,000点支払います。
この支払い方法は、満貫払いとも呼ばれることがあります。
一律3,000点払い
一部の取り決めでは、親か子かに関わらず、満貫払いを一律3,000点とすることもあります。
ノーテン罰符
荒牌流局(王牌14枚以外の山の残り牌がなくなったときに流局となること)やノーテン罰符は、テンパイしていないプレイヤーが、テンパイしていたプレイヤーに支払う点数です。ノーテン罰符は、流局時にテンパイしていないプレイヤーが支払う点数であり、他家への支払いが必要です。
これらのルールは、麻雀のプレイをよりスムーズにし、違反や流局に対して罰を与えるための仕組みです。
アガリ放棄とは?
アガリ放棄は反則行為によるペナルティの一種であり、課せられたプレイヤーはその局に限り和了することができません。
和了のみでなく、チーやポンなどの副露や立直宣言もすることができないとする取り決めが一般的です。
供託とは?
供託とは、リーチ宣言の際などに場に預けられる点棒のことを指します。立直の他にも、比較的軽目の反則行為の際に1,000点棒を供託として場に献上する場合があります。また、本場数を示す目印として卓の隅に100点棒を本場数だけ並べることがあり、これも供託と呼ばれます。
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チョンボとなる行為の例
誤ロン・誤ツモ
冒頭に述べた通り、間違って和了してしまった場合「誤ロン」「誤ツモ」とよく呼ばれますが、発声の後に手牌を倒しているかどうかにより状況は変わります。
発声をしてしまったが手牌を倒していない場合は基本的にアガリ放棄となりますが、そのまま手牌を倒してしまった場合は満貫払いとなります。
テンパイをしていないのに和了宣言をすること以外にも、以下の場合はチョンボの対象となります。
- フリテンの状態でロン和了をする(ツモ和了は可能)
- リーチをしている時、アガリ形に関与する牌を暗槓した後に和了する
- 役がない状態で和了する など
ノーテンリーチ
テンパイをしていない状態でリーチをしてしまい、その状態で流局となり手牌を公開する場合、ノーテンリーチとなりチョンボの扱いとなります。
副露の間違い
副露する牌を間違えたままチーやポンで晒してしまった場合、アガリ放棄となります。
副露後の打牌前に気づいた場合、供託で済ます取り決めや訂正を認めることもあります。
多牌・少牌
- 多牌:自分の手番以外で手牌が13枚より多い状態(自分のツモ番時に手牌が14枚より多い状態)のこと
- 少牌:自分の手番以外で手牌が13枚より少ない状態(自分のツモ番時に手牌が14枚より少ない状態)のこと
多牌と少牌は基本的にはアガリ放棄の対象となりますが、多牌の場合は不正につながりかねないとして罰符の対象となる取り決めもあります。また、少牌が考えられるケースとして、配牌が自動で出てくる型式の全自動卓にて親が第一ツモを取り損ねたまま局が続行した場合が挙げられます。
チョンボに関してよくある質問
チョンボをしたときは満貫払いとなりますか?
場合によってペナルティは異なります。仲間内で麻雀をするとき、よく起こりうるケースについてはあらかじめチョンボについてのルールを取り決めておくのが無難かもしれません。また、満貫払いのような罰符は局の続行が不可能になった場合であることが多いようです。
チョンボについて覚えておきたいポイントまとめ
チョンボは元来「間違った和了」のことを指しますが、麻雀での反則行為全般に適用されることも多いです。ペナルティは大きく分けて「罰符」「アガリ放棄」「供託」の3つがあり、これまでに挙げてきたとおり、和了(およびリーチ)・副露・手牌に関しての項目が多くを占めます。
複雑な麻雀ルールの性質上、特に初心者の方はチョンボになるケースを完全に把握し切れていないこともあるのではないでしょうか。反則行為には気をつけつつ、麻雀を楽しみましょう。
点棒とは?
麻雀の点棒とは、点数の支払いや立直を宣言した際に使用されるアイテムです。100点棒・500点棒・1,000点棒・5,000点棒・10,000点棒があり、各プレイヤーの点数は各点棒の所持数によって決まります。
4人麻雀における各点棒の本数
一般的な4人麻雀の場合、開局時の持ち点は25,000点であり、各プレイヤーは以下の本数の点棒を所持しています。
- 10,000点棒:1本
- 5,000点棒:2本
- 1,000点棒:4本
- 500点棒:1本
- 100点棒:5本(500点棒が無い場合10本)
3人麻雀における各点棒の本数
3人麻雀(サンマ)の場合、開局時の持ち点は35,000点であり、各プレイヤーは以下の本数の点棒を所持しています。
- 10,000点棒:2本
- 5,000点棒:2本
- 1,000点棒:4本
- 500点棒:1本
- 100点棒:5本(500点棒が無い場合10本)
4人麻雀と比較すると1万点棒が1本増えています。4人麻雀の点棒を覚えておけば、サンマの点棒も簡単にわかるでしょう。
自動卓の黒棒とは?
また、自動卓では黒棒と呼ばれる特殊な点棒があります。価値は10,000点棒と同じであり、箱下ありのルールやトビが発生した際の最終的な点数集計にて使用されます。
点棒の受け渡しが行われる場面
プレイヤーの和了
プレイヤーの和了が発生した場合、アガったプレイヤーは振り込んだプレイヤー(ツモ和了の場合は他家全員から)点棒によって点数を受け取ります。また、点数の支払いの際には供託棒や本場数に応じた点数も加算されます。
チョンボ
局の進行中にチョンボと呼ばれる反則行為が発生した場合、チョンボをしてしまったプレイヤーから他家全員に点数の支払いが行われます。一般的には満貫払いとなり、親がチョンボをしてしまった場合は他家全員に4,000点、子の場合は親へ4,000点・子へ2,000点の支払いとなります。
両替
立直宣言の際に自分の手元に1,000点棒がない場合、金銭の両替と同様に他の点棒と他家の同点数分の点棒を交換します。点数の支払いの際に、釣り銭が必要だが相手側も釣り銭が出せないといった状況においても、点棒の両替が必要となる場合があります。
その他点棒を使用する場面
リーチ棒
立直を宣言する際、1,000点棒を捨て牌の前に置きます。これをリーチ棒と呼び、立直宣言後は和了したプレイヤーが獲得、流局となった場合は供託として次局以降へ持ち越しという扱いになります。
本場数の表示
手積みの麻雀牌・マットで行う場合、連荘などの際に親の100点棒を卓の隅に置いて本場数をわかるようにしておく場合があります。
点棒で覚えておきたいポイント
麻雀の点数は基本的に所持している点棒によって決まります。また、和了の際のみならず立直宣言や両替にも使用されます。点数によって模様が異なるため、覚えておくと点棒の受け渡しがスムーズになることでしょう。
半荘(ハンチャン)とは
半荘(読み方:ハンチャン)とは、麻雀における基本的な試合進行形式です。半荘は名前の通り、「東場、南場、西場、北場」で行われる一荘戦の半分、すなわち「東場・南場」のみを戦う形式を指します。4人麻雀のとき、東場と南場はそれぞれ4局ずつで構成され、東1〜東4局が終了すると南入(ナンニュウ)といって南一局に入り、南四局が終了した地点で一半荘が終了します。
三人麻雀(サンマ)の場合は3人しかいないため、東場・南場それぞれ3局ずつで構成されます。
半荘の終了条件の例外
例外として半荘の途中に誰かが飛び状態になったら終了する場合や、南4局が終了した地点でトップの点数が一定点以下であった場合に延長戦として西入(シャーニュウ)するルールもあります。
半荘にかかる時間
半荘戦1ゲームあたりの時間は短くて5分、長い場合には1時間以上と幅があります。
例えば「あるプレイヤーが東一局で親に役満を振り込んでしまって飛んでしまった」場合、東一局のみで終了するため短時間で半荘が終了します。
一方、全プレーヤーが点数の高くない手で連荘を続けた場合、本場数が増えるため時間がかかったり、西入してしまったりするため、1時間以上かかることもあります。
そのため、半荘にかかる時間は一概にこれくらいということはできませんし、必ずしもこの時間内に終わるということも言えません。あくまで目安として覚えておくといいでしょう。
半荘の平均局数
半荘にかかる時間と同様に、局数にもばらつきがあります。こちらも一概に「だいたい○局くらい」と言える指標はありませんが、各種麻雀アプリが出している統計を見てみるとだいたい8〜12前後になることが多いようです。
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半荘の流れ
「東場、南場」のみを戦う試合形式である半荘の、東場・南場それぞれの流れをおさらいしつつ、初心者が覚えておくべき流れについて説明します。
東場
半荘が始まると、まずは東場に入ります。場風牌は東です。
東一局
親は起家マークが手元にあるプレイヤーです。そこから反時計回りに南家、西家、北家となります。
東二局
東一局で親の下家にいたプレイヤーが親になり、そこから反時計回りに南家、西家、北家となります。この場合、親だった人の右手側の人が次の親です。
東三局
東一局で親の対面にいたプレイヤーが親になり、そこから反時計回りに南家、西家、北家となります。この場合、最初に親だった人の真正面の人が次の親です。
東四局
東一局で親の上家にいたプレイヤーが親になり、そこから反時計回りに南家、西家、北家となります。この局が終了したとき、南入と言って南場に入ります。このとき、起家マークを東から南に変える必要があるので覚えておきましょう。
南場
東場が終わると次は南場に移り、場風牌が南に変わります。親の変わり方などの基本的な流れは東場と一緒です。
南一局
親は東一局で親だったプレイヤーです。そこから反時計回りに南家、西家、北家となります。
南二局
親は東二局で親だったプレイヤーです。そこから反時計回りに南家、西家、北家となります。
南三局
親は東三局で親だったプレイヤーです。そこから反時計回りに南家、西家、北家となります。
南四局
親は東四局で親だったプレイヤーです。そこから反時計回りに南家、西家、北家となります。この局が終了したとき、トップのプレイヤーが持つ点数が一定以上を超えていなかった場合、西入(シャーニュウ)と言って西場に入ります。西入することはあまりありませんが、起家マークを南から東に変え、向きを反対にすることを覚えておきましょう。
西入しない場合、半荘が終了して点数の精算をします。
連荘・輪荘とは
連荘(読み方:レンチャン)とは、各局で親がアガる、もしくは親が聴牌の状態で荒牌流局した場合に、前局の親がそのまま親番を続行することを指します。このとき、親は連荘した回数をカウントするために、卓上に連荘した回数分の100点棒を置きます。この棒を場棒、積み棒と呼びます。連荘した回数に応じて、局の名前の後に〇本場と付けて呼ぶことが一般的です。
一方、輪荘(読み方:リンチャン、ロンチャン)は連荘の逆で、親以外のプレイヤー(子)が和了して局と親が変わることを指します。親が聴牌していない状態で荒牌流局した場合も輪荘しますが、その時も積み棒を置き、次の局の流れ〇本場という表現をします。
- 東1局で親が和了した場合→親が和了ったため連荘となり、次の局は東2局ではなく東1局1本場に
- 東1局1本場で親が聴牌で荒牌流局した場合:親が聴牌の状態で荒牌流局しているので連荘 次の局は東2局ではなく東1局二本場に
- 東1局2本場で親が聴牌できずに荒牌流局した場合:親が聴牌できずに荒牌流局したため、積み棒を増やした状態で輪荘 次の局は東2局流れ3本場に
- 東1局2本場で子が和了した場合:子が和了したため輪荘 次の局は東2局(0本場)に
半荘以外の試合形式
半荘の試合形式について細かく説明してきましたが、麻雀には半荘以外にもたくさんの試合形態があります。その一部を半荘との違いとともに紹介します。
東風戦
東風戦は、半荘戦と違い東場のみでゲームが終わるルールのこと。半荘よりも短い時間で終わることから、オンライン麻雀で手軽に遊べるため人気も高いようです。
ただし、東場のみということは、一度親番が終わってしまうと再度親番が来ることは、延長戦で南入するとき以外ありません。一局一局の重要性が非常に高い試合形式なので、実力も試される試合形式といっても過言ではありません。
一荘戦
一荘戦(読み方:イーチャンセン)とは、半荘戦の倍の長さで行われる試合形式で、麻雀の起源である中国ではこちらが一般的となっています。半荘戦は南場で終了しますが、一荘戦は西場や北場まで行います。
東北戦
通常の半荘は東場が終了すると南場に変わりますが、東北戦(トンペイセン)では東場の後に北場に入ります。その他のルールは半荘と大きく変わりはありません。
東々戦
通常の半荘は東場が終了すると南場に変わりますが、東々戦(トントンセン)では東場の後に再び東場に入るような試合形式です。東4局の終了後には東5〜8局という数え方になります。その他のルールは半荘と大きく変わりはありません。
一局戦
一局戦は、その名の通り一局で勝敗を決する戦いになります。セガNET麻雀MJや雀魂、麻雀格闘俱楽部などのゲームでもプレイ可能です。
麻雀の試合形式や事前に決めておきたいルールはこちらでまとめています。
鷲巣麻雀
鷲巣麻雀(ワシズマージャン)は、漫画『アカギ ~闇に降り立った天才~』に登場する特殊なルールです。使用する牌は、同種4枚のうち1枚は通常、残り3枚はガラスでできており、他家から見えるようになっています。中央に穴の開いた半自動卓を使用し、山を作らずに直接穴の中から牌を引きます。このとき盲牌できないよう、手には皮の手袋をします。捨て牌が70枚に達したら流局となります。
鷲津麻雀では現金と血液を賭けた戦いであり、勝負の決着は半荘6回終了もしくはプレイヤーの死亡となっています。もちろん、現実の世界で本当の鷲巣麻雀をすることはできませんし、そもそも賭けマージャンは禁止です。
半荘について覚えておきたいポイントまとめ
半荘は、麻雀における基本的な試合進行の形式のことです。東場と南場があり、それぞれ1回ずつ親番が回ってきます。親番で一気に点数を稼ぐ戦い方も良いですし、東場は高得点狙いで南場はスピード重視という戦術で戦うのも良いです。自分に合った戦術を見つけておくと、打ち筋が安定したり、点数が離されても落ち着いて対局に臨むことができるようになります。
また、半荘以外の試合形式についても少し触れました。いろいろなルールでマージャンを打ってみると、また新たな視点での戦い方が身につくかもしれません。
麻雀のトリロンとは?
麻雀のトリロンとは、捨て牌に対して3人同時にロン和了したときの状態を指す麻雀用語です。トリプルロンを略してトリロンと呼びます。
3つの家(東家・南家など)が和了することから、三家和(読み方:サンチャホー)とも呼ばれます。トリロンは途中流局扱いが一般的なため、三家和という言葉自体が「トリロン時の流局」を意味する場合も。
トリロンが起きた時の3つの扱い
トリロンが起こった場合の扱いは、次の3つに分かれます。
- 途中流局になる
- 全員のロン和了が認められる
- 頭ハネになる
それぞれ詳しく解説します。
トリロンの扱い1. 途中流局
トリロンが起こった場合の一般的な扱いがこの途中流局です。これはもともと中国麻雀のルールに基づいていると言われています。
日本のリーチ麻雀ではフリテンルールが用いられているように、不正防止や1人を狙って点数を稼ぐなどができないようにする意味合いもあるのではないでしょうか。
もちろん、トリロンを受ければ点数的にも圧倒的に不利な状況になりますし、最悪飛んでしまう可能性もあるので、ゲームバランスも考えられたうえでのルールなのかもしれません。
代表的な麻雀アプリである天鳳でもこの途中流局が採用されていますし、日本麻雀連盟のルールでも流局扱いとされています。
トリロンの扱い2. 全員のロン和了を認める
一部ゲームやアプリではトリロンで途中流局にならず、全員のロン和了を認めるルールが採用されています。
トリロンの全員和了を認めているゲーム
- MJ
- 雀龍門
- Maru-Jan
- 東方幻想麻雀4・4N
トリロンの扱い3. 頭ハネになる
トリロン時に流局や3人和了ではなく、頭ハネになる場合もあります。頭ハネの場合、放銃者から見て下家が取る上家優先ルールです。
複数のプロの麻雀協会では、この頭ハネが採用されています。
トリロンの3人和了が認められる場合のルール
供託(リーチ棒)は誰が受け取る?
供託(リーチ棒)は上家取りルールが基本となっています。よって、トリロンを流局にしない場合は放銃者から見て下家が取ることになります。
積み棒は誰が受け取る?
連チャンの際に増えていく積み棒は、供託と同様に上家取りルールとする場合と、3人それぞれに支払う場合に分かれます。本場数×300を支払うルールが多いですが、事前に確認しておけるといいでしょう。
親流れはする?
親がアガっていた場合、連チャンになることが一般的ですが、子もアガっているため親流れになるルールや親が上家であれば連チャンするルールなどもあります。
トリロンのときの飛び賞は?
飛び賞も供託と同様に上家が取るルール、折半するルール、順番に精算して飛びに該当する振り込みを受けるプレイヤーが受け取るルールがあります。こちらも決めておくようにしましょう。
トリロン以外に途中流局が起こるケース
麻雀ではトリロン以外にも途中流局になるケースが複数あります。頻繁に起こるわけではないですが、覚えておくといいでしょう。
- 九種九牌:親であれば配牌時、子であれば第一ツモ時に1,9,字牌が9種類以上あると流局にできる
- 四風連打:第一巡の捨て牌が4人全員同じ風牌だったときに流局になる
- 四家立直:4人全員がリーチしたときに流局になる
- 四槓流れ(四槓算了・四開槓):複数人が合計で4回カンをすると流局になる
麻雀のダブロンとは?
麻雀のダブロンとは、捨て牌に対して2人同時にロン和了したときの状態を指す麻雀用語です。ダブルロンを略してダブロンと呼びます。2つの家(東家・南家など)が和了することから、二家和(読み方:リャンチャホー)とも呼ばれます。
MJや天鳳、雀魂など多くのゲームでも採用されているルールです。
ダブロンに関するルール
ダブロンの場合、当然和了した2人に対して点数を支払うことになりますが、覚えておかなければいけないルールが数多くあります。ダブロンに関するルールでよくある疑問をまとめました。
供託(リーチ棒)はどっちが受け取る?
ダブロンの際の供託は上家取りルールが基本となっています。放銃者から近い方が取ると覚えておくといいでしょう。より正確に記載するならば、放銃者から見て下家→対面→上家の順で獲得する権利があります。
積み棒はどっちが受け取る?
連チャンの際に増えていく積み棒は、供託と同様に上家取りルールとする場合と、それぞれに支払う場合に分かれます。本場数×300を支払うルールが多いですが、事前に確認しておけるといいでしょう。
親流れはする?
ダブロンで親がアガっていた場合には連チャンになることが一般的ですが、子もアガっているので親流れになるルールや親が上家であれば連チャンするルールなどもあります。もちろん親がアガっていなければ親は流れます。
本場数はどう変化する?
上記のようにダブロン時の親の連チャンが認められれば本場数の扱いは通常と同様に1つ増えます。
サンマのダブロンの扱いは?
三人麻雀(サンマ)でもダブロンはありとするルールが多いです。
ダブロンのときの飛び賞は?
ダブロンの飛び賞も供託と同様に上家が取るルール、折半するルール、順番に精算して飛びに該当する振り込みを受けるプレイヤーが受け取るルールがあります。こちらも決めておくようにしましょう。
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ダブロンなしのルールは「頭ハネ」
頭ハネ(頭跳ね)とは、ロン和了したプレイヤーが複数いた場合に、ダブロン やトリロンではなく、供託と同様に上家優先ルールと同様にロンも上家が優先されるというものです。
プロの競技団体は、ダブロンではなくこの頭ハネが採用されています。