競馬の払い戻しはいつまで?計算方法と仕組みを徹底解説

目次

馬券の払い戻し金と着順

競馬の魅力の一つといえば、やはり自分が購入した馬券が的中し、払い戻し金を受け取る瞬間ではないでしょうか。たった100円で購入した馬券が1,000円、時には1万円、さらには100万円以上にも“化ける”可能性があるのですから、大きな夢がありますよね。

例えば、2023年の日本ダービーで勝利したタスティエーラの単勝払い戻し金は830円でした。これは「タスティエーラの単勝を100円分購入していれば、830円の払い戻し金が受け取れる」という意味です。もし1,000円分購入していれば8,300円の払い戻しとなり、7,300円の利益を得られる計算になります。

それでは、JRAにおける払い戻し金の仕組みはどのようになっているのでしょうか。まずは、JRAが発売している馬券の種類(WIN5を除く)において、払い戻しが適用される着順や、2022年の平均払い戻し金について確認していきましょう。

平均払い戻し金は、100円あたりで計算されます。馬券の種類は全部で8種類(WIN5を除く)あり、それぞれに特徴があります。以下に、各馬券の特徴を簡潔にご紹介します。

【単勝】

1着になる馬を当てる馬券です。JRAが発売している馬券の中で、最もシンプルで分かりやすいタイプです。2022年の平均払い戻し金は954円でした。この馬券は、出走馬が2頭以上のレースで発売されます。

【複勝】

1~3着までに入る馬を当てる馬券です。出走馬の中から、どの馬が上位3着以内に入るかを予想すればよいため、最も当たりやすい馬券といえるでしょう。その分、払い戻し金は低く抑えられており、2022年の平均配当は335円でした。

なお、この馬券は出走馬が5頭以上のレースで発売されますが、出走馬が7頭以下の場合、的中対象は2着までとなるため注意が必要です。

【枠連】

1着と2着になる馬の枠番号の組み合わせを当てる馬券です。日本の競馬では、出走馬に割り当てられる個別の馬番号とは別に、1~3頭を色別のグループにまとめた「枠」が最大8枠まで設けられています。この馬券では、1着と2着の馬がどの枠に属しているかを当てれば的中となり、着順の順番は問いません。

ただし、枠連が発売されるのは出走馬が9頭以上のレースに限られます。枠連の全組み合わせ数は36通りと比較的少なく、難易度は低めです。2022年の平均配当は2,070円となっており、手軽に楽しめる馬券のひとつです。

【馬連】

1着と2着になる馬の馬番号の組み合わせを当てる馬券です。順番は問わず、1着と2着の馬番号が一致すれば的中となります。ただし、フルゲート18頭立てのレースでは組み合わせ数が153通りにも及び、難易度はやや高めです。その分、払い戻し金も高額になりやすく、2022年の平均配当は5,013円となっています。

なお、この馬券は出走馬が3頭以上のレースで発売されるため、ほとんどのレースで楽しむことができます。

【馬単】

1着と2着になる馬の馬番号を着順通りに当てる馬券です。馬連では1着と2着の順番は問いませんでしたが、この馬単では1着と2着を正確な順番で予想する必要があります。そのため、難易度は高く、フルゲート18頭立てのレースでは組み合わせ数が306通りにもなります。

その分、的中時の払い戻しは大きく、2022年の平均配当は10,005円となっています。なお、この馬券は出走馬が3頭以上のレースで発売され、予想に挑戦する価値が高い馬券といえるでしょう。

【ワイド】

1~3着までに入る2頭の組み合わせを馬番号で当てる馬券です。1着、2着、3着の順番は問わないため、馬連よりも難易度はやや低く設定されています。その反面、払い戻し金額も低めで、2022年の平均配当は1,871円と、枠連よりも控えめな数値となっています。

ただし、注意が必要なのは3着が同着となった場合です。この場合、3着馬同士の組み合わせは的中とはならない点を覚えておきましょう。なお、この馬券は出走馬が4頭以上のレースで発売されます。比較的手軽に狙いやすい馬券として、多くの競馬ファンに親しまれています。

【3連複】

1着、2着、3着となる馬の馬番号の組み合わせを当てる馬券です。1~3着の順番は問いませんが、フルゲート18頭立てのレースでは組み合わせ数が816通りにもなり、そのため難易度は非常に高くなります。その分、払い戻し金は魅力的で、2022年の平均配当は19,649円となっています。

この馬券は出走する馬が4頭以上のレースで発売され、挑戦しがいのある馬券として、競馬ファンの間で人気です。

【3連単】

1着、2着、3着となる馬の馬番号を着順通りに当てる馬券です。フルゲート18頭立てのレースでは、その組み合わせ数はなんと4,896通りにもなり、WIN5を除けば通常発売されるJRAの馬券の中で最も難易度が高い賭け式です。その分、払い戻し金も非常に高く、2022年の平均配当は119,198円、同年の最高配当は驚異の1,460万40円を記録しました。

この馬券は出走する馬が4頭以上のレースで発売されます。高度な予測力と少しの運が必要ですが、その分のリターンも大きいため、競馬ファンにとっては非常に魅力的な選択肢です。

また、当サイトの特集コーナー『競馬初心者でも安心! 馬券を買う際にぜひ知っておきたいポイント』では、各馬券の種類や特徴について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

出走頭数による払い戻し対象の違い

馬券の種類によって、的中=払い戻しとなる対象の着順に違いがある点に注意が必要なのは、『複勝』です。基本的に、複勝は出走馬の中で上位3着以内に入る馬を当てる馬券ですが、このルールが適用されるのは8頭以上が出走するレースに限られます。

では、7頭以下のレースではどうなるのでしょうか。7頭以下のレースの場合、払い戻しの対象は「上位2着以内」に変わります。つまり、複勝で購入した馬が3着に入って喜んだとしても、実は7頭立てのレースだった場合、それはハズレとなります。この点には注意が必要です。

逆に、7頭以下のレースで複勝を買う際には、「3着以内に来そうな馬」ではなく、「2着以内に来そうな馬」を視点に予想を立てることが重要です。この違いを理解して、より確実な予想を行いましょう。

馬券の払い戻し金はいつまでにもらう必要がある?

購入した馬券が当たったら、次にやるべきことは、もちろん払い戻しです。インターネットで馬券を購入した場合、着順確定後すぐに払い戻し金が自動で支払われますが、競馬場や場外馬券発売所(ウインズなど)で実券を購入した場合は、馬券払い戻し機を使って自ら払い戻し金を受け取る必要があります。

1枚の紙の馬券が、購入した金額の何倍にもなることもありますので、払い戻し金を受け取る瞬間の興奮は格別です。しかし、当たり馬券には払い戻し期限があることを忘れがちです。

当たり馬券の払い戻し期間は、購入した日から60日間です。この期間を過ぎると、馬券はただの紙切れとなり、払い戻しができなくなります。例えば、当たり馬券を記念に取っておこうと思っているうちに、または馬券を購入した後に競馬場を離れて別の用事を済ませたため、当日に払い戻しができなかった場合などに、払い戻し期限が切れてしまうことがあります。そうならないよう、当たり馬券が出たらできるだけ速やかに払い戻しを済ませましょう。

また、競馬開催日の払い戻しは原則として17時までとなっています。最終レース後、競馬場を見て回っていたら払い戻しの時間が過ぎてしまった…ということがないように、時間に余裕を持って行動しましょう。

払い戻し金の計算方法について

ここまで、馬券の種類による払い戻しの対象や平均金額、馬券の払い戻し期間について説明してきました。では、実際に払い戻し金の額はどのように決まるのでしょうか?

JRA公式ホームページには、競馬法施行規則に基づく払い戻し金の計算方法と、JRAが定めた馬券の種類ごとの払い戻し率が記載されています。その内容は以下の通りです。

競馬の払い戻し金は、出走馬の人気や売上の額、控除率などを元に計算されます。各馬券ごとに払い戻し率が設定されており、人気馬と穴馬で払い戻し金の額が大きく異なることがあります。また、払い戻し金はレースの売上金額に基づいて決定され、その中から控除率が引かれた残りの金額が払戻されます。

詳細については、JRAの公式情報を参照し、実際の払い戻し金額がどのように決定されるかを理解しておくとよいでしょう。

JRAにおいて、的中者への払い戻し金は、「上記の算式で算出した払い戻し対象総額を、当該勝馬に対する各馬券の券面金額に按分したもの」とされていますが、この説明だけでは少し分かりにくいかもしれません。

そこで、簡単に説明すると、まず各種類の馬券の総売上額にJRAが定めた払い戻し率を掛けた金額が、払い戻し金の総額となります。その総額を、的中した人たちが購入した馬券の金額に比例して分ける、という仕組みです。これが払い戻し金の基本的な計算方法です。そして、各馬券の払い戻し率は次のように計算されます。

もっと簡単に言うと、あるレースで単勝の売上が10億円だった場合、JRAが定める単勝の払い戻し率が80%だとすると、10億円×0.8=8億円が単勝の払い戻し金の総額となります。この8億円を、的中した人たちが購入した馬券の金額に応じて分け合うという仕組みです。

「競馬ファンはいちいちこんな面倒な計算をしているの?」と思った方もいるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。自分が買った馬券の払い戻し金がいくらになるのかは、難しい計算をしなくても「オッズ」で簡単に確認できます。

「オッズ」とは、上記の計算式で算出された払い戻しの倍率を示す数字で、通常は購入金額100円に対する倍率が表示されています。例えば、単勝のオッズが5倍の場合、的中すれば100円が500円になります。つまり、500円分購入していれば、500円×5=2,500円になるというわけです。

要するに、払い戻し金を計算するためには、オッズを購入金額に掛けるだけで簡単に求められます。

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オッズはリアルタイムで変動するため、1時間前には10倍だったオッズが、レース直前には8倍に下がっていることもしばしばあります。もし、1時間前のオッズを基に複数の買い目に資金配分をしてしまい、せっかく的中したのに儲けが少なくなったり、購入金額より払い戻し金が少なくなる“トリガミ”になってしまった場合は、非常に残念ですよね。

そこでおすすめなのが、リアルタイムでオッズを簡単に確認できるJRA-VANです。PCソフト「JRA-VAN NEXT」やスマートフォンアプリを活用すれば、払い戻し金額をより正確に計算でき、資金配分ミスやトリガミの失敗を減らせます。また、リアルタイムでオッズの変動を追うことで、高倍率の馬や馬券の組み合わせを見つけるチャンスも広がり、思わぬ「美味しい馬券」に出会えるかもしれません。

さらに、JRA-VANを活用すると過去の払い戻し金データを調べることもでき、レースごとの傾向が見えてきます。例えば、堅い結果になりやすいレースや毎年荒れるレースを見つけることができ、その情報を基に「穴馬を狙おう」という戦略を立てるのも面白いかもしれません。

この章のまとめ

冒頭でも説明したように、馬券を買って競馬を楽しむ醍醐味と言えば、やはり馬券が当たった時、そして払い戻し金を受け取る瞬間です。

「この馬券の組み合わせを買ったら、いくらになるのだろう?」

捕らぬ狸の皮算用ということわざもありますが、予想している時こそが一番楽しい瞬間かもしれません。

その一方で、どの馬券を買うか検討する際には、払い戻しの対象となる着順や組み合わせ、そしてオッズをしっかりと確認することが大切です。また、当たり馬券の払い戻し期間は購入した日から60日間と決まっているため、当選した際には速やかに払い戻し金を受け取るよう心掛けましょう。

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