教室は生徒さんと一緒に作るもの

個人教室ってある種のコミュニティだと思うんです。私はお菓子教室開業時からそれを柱に運営してきました。16年前は珍しい考え方でしたが今はだいぶ浸透しているように思います。

生徒さん(特に大人)は○○を学びたいという学習意欲と同時に、居心地の良い場所に所属したいという意識があることが多いです。
皆さんも自分のことに置き換えてみてください。同じ学ぶなら、良い仲間と出会えて職場や家庭以外の自分の居場所と思えるところが出来たらいいなと思いませんか?

皆さんにもぜひコミュニティであることを意識した教室作りをお勧めしたいのですが、その理由は先生、生徒さん双方にとってメリットがあるからです。ちょっと大げさにいうと、たくさんの人が居心地の良い小さなコミュニティに属していることが社会をよくすると考えています。

 

では、どんなことを意識したらいいのでしょうか?

「部屋が雑然としていた」
「他の生徒さんに脱いだ靴のブランドをチェックされた」
「料理教室で試食中の話が長くて帰りたいのに帰れなかった」

これ、なんだと思いますか?

 

これらは私が今まで実際に生徒さんたちから聞いた「教室に行かなくなった理由」です。
至らない点があったら直したいと思っていても先生本人では気がつけないことも多いですよね。1回きりで来なくなった生徒さんがその理由を教えてくれることはほぼないですし、通っている生徒さんでも先生に言いづらいなと思っていることがあるかもしれません。

そこで私が意識していることは、生徒さんが忌憚なく話せる環境作りです。

先日こんなことがありました。
爪が長くしている中学生がいました。聞くとウクレレを習っていて爪は切れないというのです。1人1台作るレッスンに通っていたので暫くは容認していましたが、やはりどうしても気になり、レッスンには爪は切って参加して欲しい旨を改めて伝えたところ、ウクレレを続けたいということで退会になりました。退会は残念ですがやむを得ないと思いました。そしてこのことを同じクラスに通っている他の生徒さん(大人)に何気なく話をしたところ、「ずっと気になっていました」と言われたのです。その方はおくびにも出さなかったのでびっくりしました。ひとり1台作るとはいえ共同で作業することもあり、そういう時に(爪が〜)と思っていたそうです。食の教室ですからやはりそこは良しとしない方が多いのでしょう。「先生が言ってくれて良かったです」と言われ、私も良かったなと思いました。

生徒さんがどんなことを望んでいて、どんなことを望んでいないのかに心を配ることで、生徒さんにとって居心地の良い環境を作ることができ、結果長く通ってくれる生徒さんが増えます。

生徒さんが長く通ってくれることは、言わずもがな、教室にとっては大変メリットのあることですよね。離れていく生徒さんがいたとしても守りたい環境をしっかり作りましょう。

 

居心地のよいコミュニティとしての個人教室が社会にたくさんあるといいなと思っています。

記事を書いた人

松本美佐
松本美佐
お菓子教室&コミュニティ「ミサリングファクトリー」主宰。2007年開業16年の実績。全クラス満席、キャンセル待ちの人気教室。好きなことは山登り、温泉、旅行、焚き火。しかしアウトドア派と思われがちな完全インドア派。コロナ以降は、中華アニメ、ドラマ、小説にはまり、快適な引きこもり生活を送っている。中国語学習者。
将来の夢は流しのお菓子教室→絵描き→中国に行きたいと変遷中

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