キャンセル料はなぜあるのか、その理由とキャンセル料設定の効果

前回の「人からお金を頂戴するのが苦手」を克服する方法に続き、今回も「お金をいただく」についての話です。

教室を運営していく上でどうしてもつきものなのがキャンセル。
生徒さんから「子供が熱を出して…」と言われたら、申し訳ないなって思っちゃいますよね。

先程、Yahoo!知恵袋を見てみました。(知恵袋、本音がかかれるのでリサーチに役立ちますよ)「身内に急な不幸があって料理教室をキャンセルしたらキャンセル料を請求された。弔事なのに払わなくてはいけないのか」「申し込んだ時、キャンセル料がかかるとは知らなかった」「材料費分はわかるけど、それ以外なんの費用なの」などなど。

当然ながら経営までは考えない生徒さんの立場ですから、もっともな疑問だと思いました。

特にトラブルになりやすいのは材料費がレッスンフィーに占める割合の多い料理教室です。今回は話をわかりやすくするために料理教室という前提でお話しますね。

キャンセル料は何故あるのか

教室を経営している身ならよーーくわかる損失。でも生徒さんからは材料費くらいしか想像ができません。これから教室を開こうとしている方はぜひ知ってください。

理由その1)キャンセルは材料実費以上のロスが出る

キャンセルが出ると無駄になる材料費は実費分だけではありません。その方が来なかったために多めに買わなくてもよかった材料が出てくることがあります。
わかりやすく細かい例をあげると、例えばはちみつを使うレッスンでした。必要量はひとりは200g、6名なので1200gが必要で1kg瓶×2を購入しました。ひとりがキャンセルになるのなら1瓶だけ買えばよかったのに。これは教室側の都合なので、その生徒さんのせいではありませんが、効率良い買い方を考えた後に人数変更によりロスが発生するのは教室としては避けたいことです。
(余談ですが、食材は必要重量ぴったりに買えないことがほとんどです。料理教室で歩留まりを多めに考えないと赤字になるのはこのためです。)

その他にも、用意した備品や手間がかかる仕込みが無駄になったり、人数に合わせて借りたスペースやスタッフ人件費分がロスになるなど、ケースによって様々なことがあります。

理由その2)機会損失

その方の席を確保することで他の方が参加を諦めていることがあります。
定員が少人数の料理教室にとっては痛いことです。
空席が出たために再度参加者募集をする作業が発生します。

理由その3)受益者負担の原則

教室はサービス業です。サービスを提供しその対価として受講費をいただき運営します。いただいた受講費は、生徒さんに喜んでもらえる教室運営のために使用し受講費を支払ってくれた生徒さんへ還元しましょう。

キャンセルした方からキャンセル料をもらわないと、キャンセルによる損失分を他の生徒さんの受講費で賄うということになってしまいます。

理由その4)気軽なキャンセルを防ぐ

キャンセル料設定がないと「予定がまだわからないけどあとでキャンセルすればいいからとりあえず申し込んでおこう」とか「当日行きたくなくなったからキャンセルしよう」という申し込みが発生します。残念ながらこういう人は一定数必ずいるのです。教室としては回避したい層をフィルタリングするのにもキャンセル料設定が有効です。

キャンセル料を設定する効果

キャンセルの発生は生徒さんが想像する以上に教室側の負担が大きいとはいえ、やむを得ない理由でのキャンセルは必ずあります。運営側の心構えとしてキャンセルはあるものと考えないといけません。

私自身は「たかがお菓子教室」と考えていて、極端な話、急にお父さんの休みが取れて家族で出かけよう!ということになったらレッスンをキャンセルしてもらってもいいと思ってます。その代わりキャンセル料はしっかりいただきます。

生徒さんも(家族で出かけたいけど先生に迷惑をかけるからなぁ)と思うより、せっかくだから遊びに行こう!キャンセル料払う!の方が気が楽ですよね。

ルールを作ってお金で解決するのがお互いすっきりです。お金ってうまく使えばとても便利なものなのです。

 

かくいう私も実は開業後しばらくは直前以外のキャンセル料は取っていませんでした。

うちの教室は毎月通う通学制ですが、7、8月などはお休みする生徒さんが多く月の売上が大きく減ってしまい困りました。当時相談に乗ってもらっていた先生に「キャンセル料は当然。取ってください。」と言われ、ドキドキしながらキャンセル料設定をしたのです。

そうしたら、おやすみ率が30%から5%へと大きく減り、経営が安定しました。経営を安定させるということは「いただいた受講費をよりよい教室にするために使い生徒さんに喜んでもらう」ことになります。

キャンセル料がなければ生徒さんも(休んで良いもの)と思いますし、キャンセル料を取ることを伝えればちゃんと理解していただけます。ここもうまくお金の力を上手に使うべきポイントなんです。

 

キャンセル料は必ず設定しましょう。

「生徒さんからいただいた受講費で良い教室を作っている」
自分ももちろん、生徒さんにもこのイメージを持ってもらうことが大切です。

 

キャンセルポリシーを必ず明記する

最後にとても大事なことです。
キャンセル料の設定をしたら、必ず明記します。
いろんな教室のホームページを見ると、キャンセルポリシーがなかったり、分かりづらかったりする教室がとてもとても多いです。

冒頭で紹介したYahoo!知恵袋は、申込時にキャンセル時の取り決めが明確でなかったことによるトラブルです。いくら書いても読まない方もいますが「読まなかった」と「書いてなかった」では大きく違います。

生徒さんも自分も気持ちよく取引をするためにキャンセルポリシーをしっかり作り明記しましょう。

キャンセルポリシーの作り方

ところでキャンセル料ってどのくらいもらえばいいものでしょうか。
いつからキャンセル料を取ればいいでしょうか。

これは本当に教室によって様々です。今回紹介したように、1レッスンの参加者が少人数で材料費が大きくかかる料理教室と、資料程度の準備で人数が5人でも10人でもあまり変わらない講義形式のレッスンではだいぶ違うと思います。

 

「レッスン料+キャンセル料を取られた。取りすぎではないか」という意見を聞いたことがありますが、レッスンによってはキャンセルされることによる負担は様々なので、そう教室が決めたのだとしたらそれなりに理由があるはずなのです。

どんなキャンセルポリシーを作るかは教室が決めることです。

生徒さんには事前にキャンセルポリシーを確認してもらい、納得の上で申し込んでもらう流れを作ることが重要です。

いろんな教室を参考に自分の教室にあったキャンセルポリシーを作りましょう。

参考までに、私は”教室側にかかるロス”を念頭にキャンセル料設定をしています。
また、キャンセルの理由は問わず、どんな理由でも同じです。
台風や豪雪などで公共交通機関が止まった場合以外はキャンセル料を頂戴しています。

 

記事を書いた人

松本美佐
松本美佐
お菓子教室&コミュニティ「ミサリングファクトリー」主宰。2007年開業の全クラス満席、キャンセル待ちの人気教室。好きなことは山登り、温泉、旅行、焚き火好き。アウトドア派と思われがちな完全インドア派。漫画、アニメ、読書はもっぱらハイファンタジー。
将来の夢は流しのお菓子教室をやりながら旅をすることだったけど、最近は絵描きになりたい。。

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