税金を納めないのは違法ですが、開業届を出さずに営業することにお咎めはありません。
このため、ある程度売り上げられるようになってから開業届を出すと考える方も多いですが、開業届は最初に出しておくことをお勧めします。
開業届を出すメリットと理由
2020年、コロナによる影響で経営に打撃を受けた事業や、非対面型事業に切り替えるための支援に対し、国や自治体が多大な補助金や給付金を交付しました。支援を受けた教室経営者も少なくありませんでした。
この時、開業届を出していない、確定申告をしていな事業者は対象外となったため、「今まできちんとやっていてよかった!」と助かった経営者と「開業届出しておけばよかった」と泣いた人がいました。
リトルヘルプでは、「開業届は自分自身のけじめのために出しましょう」と伝えています。売上も「そんなに売れないだろうし」という気持ちでやっていてはいつまでも伸びていきません。開業届を出すことで「きちんと売上を立てていく」という心構えをすることです。
事業をしていること、事業をしていないこと、売上があること、売上がないこと、を証明することは、対外的な信頼を得ることに繋がります。
個人事業主が収める税金
個人事業主が納める主な税金は以下の4種類です。
所得税
消費税
住民税
個人事業税
例)月に売上5万円、年間売上60万円の場合
「課税所得」=所得控除には、基礎控除(38万円)のほか生命保険料や社会保険料などの控除があり、「課税所得(売上(収入)-経費-所得控除)」が38万円以下だと税金がかかりません。
経費やその他の控除にもよりますが、売上が60万円程度だと税金はかからないかもしれません。
青色申告をした方が安心
青色申告をすると、上記の基礎控除38万円の他に青色申告特別控除65万円が適用されます。
つまり、「課税所得」が103万円(38万+65万)以下なら課税されないのです。
そんなに売上がないからと確定申告をしないまま営業して「課税所得」を超えてしまうとうっかり脱税になってしまうかもしれません。そんなことにならないためにも、青色申告をしましょう。
そもそもあなたに売上がないことをなにをもって証明するのか。
先日、ある先生と開業届けを出していない人が多いという話題でやりとりをしている中で「自宅教室の人たちは課税になるほどの売上になってないから・・」と言ったら、「それはどうやってわかるのか。」と言われ、はっとしました。
そうですよね。あなたが「そんなに売上ありません。」と言うのを、帳簿も付けずどうやって証明するんでしょうか。
個人がやっている小さな教室やハンドメイド雑貨の販売について、税務調査が入る可能性は低いとはいえ、きちんとつけて、「税金納めなくてもいい状況です」と言えるのが社会的にも健全だし、精神衛生上も良いと思いませんか。
帳簿を付ける習慣を見に付けてきちんと事業する。
課税対象にならなくても最初からきちんと帳簿をつけて収支を出し、月次を見る習慣を身に付けましょう。事業経営者という意識を持ちましょう。
帳簿は、Freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトの利用がお勧めです。
開業届けはどこに出す?
「個人事業開業・休業・廃業届出書」←(言い方は自治体によって違う
【提出先】*神奈川県の例
・都道府県税事務所
・税務署
・市区町村
の3箇所(郵送も可)
「所得税の青色申告承認申請書」←(国税庁・ダウンロードできます。)
【提出先】
・税務署
神奈川県の開業届けはこちらから
申請・届出様式のダウンロード>個人事業税>個人事業開業・休業・廃業届出書
自治体によって違うので、ネット上の情報はわかりづらく、開業届を出す場合はお住いの自治体に確認するのが確実です。