ワークブックアンケートで、「開業準備を何から始めればよいか、作業の優先順位の付け方が難しい」という声をいただきました。
開業時共通のお悩みなので、今回は教室を開きたいと思った時、まず何からしたらよいのかについて解説します。
教室開業を目指す人は、「自分の好きが人に教えられるレベルになっている。」「まわりから『教えてほしい』という声もあり、教えるが仕事にできたらいいな。」「自宅で教室ならできるかも。」こんな流れで始まることが多いようです。
自宅を使える場合、生徒さんが来てくれればもう”教室”の体は整います。ただし、それが仕事と言えるものになるかは別の話。
今、この記事を読んでいる皆さんは、教室を「収入を得られる事業としてやりたい」と考えている方だと思うので、実際に事業としての教室を開業するためにやるべきことはなにかを紹介していきます。
自治体や商工会議所などが開催する開業講座に参加しよう
殆どの自治体で開業セミナーを開催しています。「開業セミナー ○○市」のように居住区を入れて検索してみてください。キーワードは「開業」「創業」「起業」、「講座」「セミナー」です。だいたいこれら何を入れても出てくると思います。
参加費が安い。無料の場合も
開業についての大まかなイメージと基礎知識が得られる
同じ時期に開業を考えている仲間と出会える
行政の創業支援担当者や講師と知り合える
事業計画書の作り方がわかる
講座のクオリティはまちまち
最大公約数的な講座なので自分にとって必要な情報がすべて得られるとは限らない。
教室開業は少し特殊なため、当てはまらない情報も多い。教室開業への理解度は低い(と思ってほぼ間違いない)
無駄な時間になることもあるけれど、「何から始めたら良いかわからない」というスタート時なら、参加した方が絶対に良いです。
ほとんどの講座が「事業計画書」を作ることを最終目標に開催されるので、事業計画書が出来上がります。
申し込む時は主催者を確認し、自治体や商工会議所、行政からの受託事業として開催しているものに参加してください。高額な民間セミナーについては、自治体レベルのものを受講してから熟考することをお勧めします
年に1回〜2回の開催が大半なので、募集のタイミングだったら即申し込みましょう。募集時期でない場合は次の募集がいつなのか問い合わせてみましょう。また、今はオンライン開催しているところも多く、対象者を行政エリアに限定していないものもあるので、自分の居住エリアでないところでも探してみてください。
事業計画書を作る
事業計画書を作らなくても開業はできます。でも、月5万円程度の売上目標の小さな個人教室といえども長く続けたいのであれば事業計画書を作ることを強くお勧めします。なぜなら、事業計画書が書けるかどうかが「経営者になれる人かどうか」の判断基準のひとつだからです。
中学校の数学で2次方程式を学び、「これ、なにに役に立つの?」と思いませんでしたか?実際に一般的には利用することがありませんが、その時”2次方程式の数式を理解し、正しい解を求められるように努力したこと”が評価され、自分の自信に繋がっていったはずです。それと同じで、事業計画書を作ると、「この人は事業計画書を書く努力をしたんだ。」と熱意や本気度を評価してもらえ、自信がつきます。
第3者に見てもらうことを前提に明文化することは、頭の中で練っていた構想が整理されていくという点は言わずもがな。
書けない、書きたくないと思うなら事業することに向いてないので止めた方がいいです。
それはわかったよ。でも、事業計画書って何を書けばいいの?って思いますよね。
事業計画書はいろんなところでフォーマットを出していますが、書式に決まりはありません。なにかをベースに自分らしく書くとよいでしょう。
リトルヘルプでも、ワークブックを見てアンケートに答えてくださった方に、個人教室向けのオリジナル事業計画書フォーマットを差し上げています。
第3者に事業計画書を見てもらう
事業計画書ができたら、人に見てもらいましょう。
- 自治体などの創業支援相談窓口
- 知り合いの経営者
- 自分が信頼できる友人・知人
- 教室経営者
5人くらいに見てもらうといいと言われています。それは、いろいろな意見を聞くことで自分の最適解が得られるから。また自分の事業を理解してくれる人、応援してくれる人が多くいる方が開業後も心強いものです。リトルヘルプでも個別相談をお受けしています。教室に関してはエキスパートなのでぜひ利用してください。
この3つが一番最初にやるべきことです。
いかがでしたか?「え?そこなの??」と思われたかもしれません。そう、ブログやSNSを始めることではないんです。長く続けられる教室を作るのが目標なら、まずはしっかり地固めをすることです。
事業計画が決まったら、HPを作りブログを書き、SNSで発信をしていきましょう。その他に、経理の勉強や顧客管理、インターネット発信の注意点、法令や商習慣についてなど、学ぶことはたくさんありますが、これらは走りながら徐々に知識を深めていけばOKです。
開業に向けてやるべきことってたくさんあるのです。(今はコロナの影響ですぐに開業はできないから何もできない)と思っていた人もすぐに動き始めましょう。