なにかを始める時、それがどのような広がりになるか考える。
例えば、先日サイボウズデイズ基調講演で聞いた西野亮廣さんの話しの中で、発信する時に起こりうるケースを徹底的に想定すると言っていたこと。だから炎上も想定内なんですって。
ある目的を達成するためにそこにたどり着くようにじっくり研究して失敗のないように仕掛ける。ビジネスってそういうもんだと思います。
釣りは、釣りたい魚に合わせて仕掛けを作り、魚群探知機で魚がいるところを調べ、糸を垂らす。これもちゃんと計算があるのです。
だけどそうじゃない仕掛け方が私は好き。
まずやってみる。そこから何が生まれるかはあまり考えず、とにかくまず起こすのです。それから何が生まれ、育つのかをワクワクしながら待つのが好き。
顧客管理をしたり帳簿をつけたりホームページのメンテナンスをしたり。パソコンを使った庶務(今ほとんどがそうだけど)は、普段の活動の中で後回しになりがち。ある程度まとまった時間がないと効率が悪い。ならば、月に1回でもそういうことをする時間を決めてしまえ。
そんな考えから作りました。
さらに、こうしたいという構想はあってもそれを何で実現したらいいのかわからないなど、経営者ならわりとみんなが持っている悩みにITツールを紹介したり、一緒に作業してみたり。
実際に参加してくれた皆さんからは、「ひとりだとできなかったのに、ここでやるとなんか出来ちゃう。」「長年課題だったのにあっけなく解決した」という感激の言葉をいただくようになり、私達ががっつり教えているわけではなく、ちょっとしたヒントやサポートを提供するだけで自身の解決する力を引き出す”場の力”ってすごいんだなという発見が生まれました。
そして、それぞれ持ち寄った課題をしつつのおしゃべり。経営者ばかりだから話は当然ビジネスのことが中心なのだけど、小さな事業を営む女性のビジネスというのはライフデザインの比重がとても大きく、誰かのちょっとした言動にもヒントが多分にあるため、大量の情報が行き交うのです。これはすごいコンテンツだなという発見。
IT自習室がいいのは、そんな感じで誰かが喋っていたとしても、自分は集中して作業をしたいと思ったらできること。話に加わることはもちろん強要されないし、誰かが喋っているのをBGMに仕事をするのは、普段孤独なひとり経営者にはなんだか居心地の良さがあります。
誰かがいて、それぞれが自分のやりたいことをやって、どこかで誰かがお菓子を食べていたり、勉強していたり。まさに放課後の部室。
「事業をやっていることで、いくつになってもこうして新しい出会いがあるって、本当に幸せなことだよね。」
誰かのひと言は小さな事業の経営者みんなが思っていることなのです。
「(教わることは特にないけど)楽しいから来月も来るね。」
IT自習室は今、そんな風に言っていただける場に育ってきました。
そしてここからまた何かが生まれてくるのだと思います。それは集まる人次第。こんな風に何が生まれるかわからないワクワクする場、人が交差する場を作るのが私は好きなのです。