女性は「数字が苦手」という人がとても多いのですが、事業を行う=数字を見るといっても過言ではなく、数字は避けて通れません。
数字を見るくせをつけましょう。
開業前に知っておきたい数字の話はこちらに書きました。資金0でもできる?教室開業にどのくらい資金が必要か。
今回は開業後、日々見るの数字についてです。
経営=数字を見ること
経理は単純にいうと「いくらお金がかかって、いくらお金が入ってくるかを計算して収支を知る」ことです。
自宅教室は「赤字なのか黒字なのかも分からず行っている」先生が多い時代が長くありました。今もそういう方はいるかもしれませんがそれは事業ではなく趣味の教室です。
あなたが目指すのは事業としての教室ですから、自分で数字を見る習慣を見に付ける必要があります。
教室業であればそんなに複雑な帳簿にはなりません。家計簿と同じくらいの感覚で大丈夫です。今は便利な会計ソフトもあるので、自分で帳簿をつけて月次を見ましょう。
見るべき数字は大きく分けてふたつ
1)帳簿
売上と事業に必要な経費をつけ、経営状況を把握する。年度で締めて確定申告を行う。(個人事業は1-12月で1年。毎年3月*注1に確定申告を行う。)
2)コスト計算
1レッスンについてのコスト算出。
帳簿は家計簿と同じ
どのくらい支出があってどのくらいの収入があるかを記帳していくもの、いわゆる経理です。「経理は苦手なので税理士さんに任せている」という方もいますが、税理士さんが代行するのは正しい税務申告のための書類作成です。また、経営に関するアドバイスをくれる存在ですが、あなたの事業の経営者ではありません。
経営者は帳簿から毎月の収支(月次)を見て、経営改善、経営戦略を考えていきます。これを見ないと自分の教室がどういう状況なのか判断できません。
帳簿への記帳は代行を頼んだとしても、毎月の収支はちゃんと見ていきましょう。
コスト計算は必ず行う
形のある製品が「1個あたりにいくらかかっているか」を割り出すように、レッスンの場合は、1レッスンに対してかかる費用算出します。
算出の仕方は教室の内容によりケースバイケースで考えましょう。
例1)ピアノ教室
月謝5000円 売上
材料費≒0円 コスト
粗利益100%
例2)お菓子教室
受講費5000円 売上
材料費1000円 コスト
粗利益80%
*粗利益(%)=1-(コスト÷売上)
レッスンの内容、レッスン料を決めるのはコスト試算が重要です。
生徒さんから頂くレッスン料は事業のお金
数字を見られるようになると「ちょっと高いけどこれ使いたい」とか「多めに買って余ったら家で使えばいいや(*注2)」と言ったゆるさがなくなっていきます。
生徒さんから頂いたレッスン料はまず教室をよりよくするために使うお金です。どんぶり勘定で自家消費とごっちゃになってしまう経営では、しっかりと利益が出せる教室には育ちません。経営者目線で数字を見る習慣を見に付けましょう。
*注1 2020年、2021年は特例で確定申告の締切日が延長になりました。
*注2 教室で余った材料を家庭で使うと”自家消費”になり、経費からその分を除く必要があります。